第431話 オリジンゲート攻略 ⑤
【河本貴志 視点】
【大罪・強欲発動】
【アルカナリス発動……3分間、全ステータスが2倍になります】
俺は攻撃特化の能力を発動させる。
【3分後、行動不能になります】
能力が破格なだけに、3分後には身動きが出来なくなるのだ。
ソロ活動の多い普段なら使わないが、今回はユリちゃんもいるから問題は無いだろう。
俺はダークマターをふんだんに使って特殊な方法により作成されたカオスブレードの後継器である魔王剣に力を込める。
スケルトンの急所は、どこかにあるコアなんだが、弱点看破を使用時にはハッキリと光って見えるようになるから、俺との相性はかなり良い。
キングスケルトンのコアは頭蓋骨部分か……
突くか斬るか……
ここは俺と深夜が一緒に考えた漫画のパクリ必殺技で決めるか。
俺は左手を前につき出し、右手に持った魔王剣を弓を引くように構える。
俺が必殺技の構えを取っていると、キングスケルトンはさっきまでエリちゃんと戦っていたにも関わらず、急にこちらに向かって走り出してきた。
ふむ、モンスターだから対して知性は無いと思うが……本能的に俺が危険だと察知したのか?
キングスケルトンは凄い勢いで俺の方に走ってきていて、あと3秒ほどで俺に攻撃してくるだろう。
しかし、俺の必殺技は巨大なキングスケルトンの射程よりも遥かに広いから、俺の必殺技が必ず先に当たる。
これは勝ち格の戦いだ。
「死ねっ! カオススクライド!!」
俺はキングスケルトンに向かって必殺技の捻りを加えた突きを繰り出す。
ズゴッン!!
俺の魔王剣はキングスケルトンの頭部を爆破したみたいに木っ端微塵に吹き飛ばした。
【キングスケルトンを討伐しました……9階層への扉が開きます】
「やったぁ!」
「助かったわ!」
「もうだめかと思った……」
「すげぇ!」
ボスが倒されたのを確認し、みんなボスを倒せた事に喜んでいた。
「ふうっ……しんどいな……」
何とかキングスケルトンは倒せたが、みんな力を出し切ったのか地面に座り込むメンバーが大半だった。
ユリちゃんも力を出し切ったのか、ぐったりとしていた。
「あっ、そうだ。コーデリアさんはっ!?」
ん?
俺はコーデリアさんがどうなったのかを確認しようとしたとき、視界内に嫌な気配がした途端、視界は避けようがない巨大な炎に包まれていた。
ドオオオッン!!!
★
【麻藤エリ視点】
私は巨大なスケルトンを討伐した事により、気が抜けてその場に座り込んだ。
今回のボスはかなりギリギリだったと思った、私は戦うのは得意だけど、今回のボスみたいな特殊な攻略法が必要なモンスターとの戦闘は苦手で、お姉ちゃんならあっという間に解決方法を出してくれるけど、私には難しかった……今回は貴志さんがいなかったら、かなり危なかったと思う。
次の階層はもっと厳しいのかな……。
今回は諦めて、お姉ちゃんを連れてきた法が良いかな?
いや、既に多大な犠牲が出ているから、今撤退したら次は無いかも……
ドオオオッン!!!
「えっ!?」
私は突然の爆発音に驚いて振り向くと、さっきまで貴志さんがいた場所が巨大な紫色の炎に包まれていた。
「な、なんで? ボスが居なくなった今はモンスターが居ない筈なのに……」
ボスを倒してから一定時間はモンスターが発生しない安全なエリアになる筈なのに……
!?
私は咄嗟に避ける。
「これはどう言う事ですか?」
さっきまで私がいた場所を、極細の鋼糸が通過していた。
「油断している今なら狙えると思ったのだが……流石は1位だな」
「……どういう事か聞いているんです、糸使い」
糸使いのエンデ・コーナー……。
この人とは今までは関わりがなかったし、恨みも無いはずだから、私には何で攻撃されたのかさっぱりと分からなかった。
しかも、今の攻撃は確実に私を殺すつもりだったのがすぐに分かった。
「ふっ、私は1位を殺して欲しいと依頼されていたので、ボス戦で疲労したタイミングを狙っただけです」
「何を考えているのですか!? 今は世界を救う為のオリジンゲート攻略中ですよ!」
「だからですよ。あなたには永遠に理解は無理ですよ」
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