第424話 大地震

大地震から30分後……



自分は地震の情報を確認しようと思って、さっきからスマホのニュースサイトを見ているんだけど……


「東京は震度5で、被害は少なめか……。それは良かったんだけど、震源地である北海道の被害情報が一切無いのはなんでた?」


東京ですら震度5なのだから、震源地の北海道は相当な震度だっただろうから、旅行には行けないだろうけど、北海道がどうなったのか気になっているから、調べてみているが、不思議なほど北海道の情報が一切無いのだ。


ちなみに青森の震度は7で、甚大な被害を受けていて最新映像などがバンバンネットにアップされたりしていた。


北海道は被害が酷すぎて情報規制でもされてるのか?


「ふぅ……」


自分がネットニュースを調べていると、震災時に体調が悪くなった為に部屋で休んでいた玲奈が、部屋から出てきた。


「あっ、玲奈。大丈夫か?」


玲奈は我慢強いのかは分からないが、今まで体調が悪くなったところ見た事が無いだけにかなり心配なんだけど、部屋から出てきた玲奈の表情は、先程とは違い、いつも通りの玲奈に戻っていた。


「はい、お兄様。私は大丈夫です……」


良かった。

地震でパニックになっていたのかもしれない。


「それで、エリは目覚めた?」

「まだ寝ています。ですが、心配はいらないと思います」

「そっか、それは良かった」


エリも地震のあと、何かよく分からない事を呟きながら気を失ったから、心配していたんだけど、玲奈が大丈夫だと言うのなら、大丈夫だろうという謎の安心感があった。


「それで、お兄様は大丈夫なのですか?」

「え? 俺は大丈夫だよ。多少はびっくりしたけど、家の周辺で壊れたものも無かったし」

「いえ……覚醒者として……」

「ん? 覚醒者ってなに?」


……覚醒者?


「って、もしかして俺の極秘ノートを見た?」


自分と貴志が作り上げた、中二病ノートをもしかして玲奈に見られた?


確かにノートには覚醒者というワードもある。


「え? お兄様の極秘ノートですか? ……それは気になりますね」

「えっ!? あっ、知らないなら知らない方が良いよ。あははは」

「……今の答えて状況は整理出来ました。エリが目覚めたら、お兄様に話しておかないといけない事があります」

「ああ、エリが目覚めたらね」


玲奈がいつものちょっとふざけた感じとは全く違い、真剣な表情をしていたのでびっくりした。


何の話だろう?


凄く嫌な予感がするな……。





1時間後……


「心配かけちゃってごめんね……」


エリが無事に目覚めたので自分はほっとしたが、エリは自分と玲奈に心配をかけた事を気にしていた。


そんな事は家族なんだから、気にしなくても良いと思うが……


「無事に目覚めたから良かったよ」

「お兄様は心配し過ぎなんですよ」

「まあ、玲奈が大丈夫って言っていたから、安心はしていたけどね」


「……それでエリ。あなたは覚醒者?」


玲奈はエリの方を向き、真剣な表情でエリに聞く。


「うん、私は覚醒者みたい。お姉ちゃんも?」

「ええ、私も覚醒者よ。お兄様は今は違うみたいだけど、今後はどうなるか……情報が不足し過ぎて分からないわ」


二人の話を聞いている限り、二人は覚醒者というものらしいけど、覚醒者ってなんだ?


さっきまで覚醒者なんてワードは、うちの中の会話では一度も出てきた事なんて無いはず。


「私とお姉ちゃんだけ……またお兄ちゃんが……」


エリはそう言うと、悲しげな表情で自分を見つめてきた。


「お兄様、エリ……今、日本で起きている事件と、これから起きるかもしれない事を言いますね……」


そして玲奈は、どこから仕入れたのか分からない北海道の現状と、軍事機密っぽい様々な情報を話してくれた。


その玲奈の話はとても衝撃的な内容だった。

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