第411話 レベル1の魔眼

 そう言えば、もう一つ確認しておきたい事があったんだった。


「テレーザさん、【魔眼】にレベルがあるのは聞いてる? 僕の【魔眼】はレベル1らしいんだけど」


「はい、【異能眼】の全てにレベル1から5までのレベルがあるらしくて、レベル1が一番有効性が低いスキル内容で、レベル5になるとほとんどいなくて、性能も凄いみたいです」


「なるほどね……僕の【鑑定眼】はレベル1って事か」


「レイくんのあんなに凄い【魔眼】がレベル1とは思えませんけど……」


「まあ、最初の頃の【鑑定】能力なんて名前しか分からなかったし、調べられないものも沢山あったレベルの【魔眼】だから、初期能力だけで言ったらレベル1でもおかしくはないかもね。僕よりもテレーザさんの【天翔眼】がレベル1ってのはどういう事?」


 自分からしたら【天翔眼】は【魔素】などを見ることで先読みに近い能力の他に【天翔硬】や【天翔斬】みたいな攻守共にバランスの良いチートスキルだと思うんだけどな。


「正確な理由は聞いていないので分かりませんが、もう少し経過したらスキル有りの模擬戦が始まるらしいので、そこで他の人の【異能眼】を見たら分かりかもしれないですね」


「確かにね。レベルの基準も戦闘タイプか補助タイプ、それ以外にも戦闘に関係ない【異能眼】はどういうレベルかによるかな……というか、こんな簡単に【異能眼】に目覚められる【魔導変異薬】の中身ってなんだろう」


「そうですね……投与しただけでここまでステータスが変わるとちょっと怖いですね」


 この大陸では普通の事みたいだったから、あまり疑問に思わずに【魔導変異薬】を投与してもらったけど、今思うと性能が凄すぎて逆に怖くなってきたな……


 話の感じでは後遺症などもなさそうなんだよな。


「スキルの練習もしてみたいけど、どこで試し打ちして良いのかな」


「基本的に攻撃系スキルみたいな、周りに迷惑のかかるスキルは街中では使用禁止らしいですよ」


「えっ、そうなの? 訓練所みたいな場所は?」


「学校内にあるのは知っていますが、他はちょっと分からないですね。多分、明日位からスキルを使った実践練習が始まるんで、試し打ちはその時でもよいんじゃないですか?」


「まあ、そうか。学校内でもスキルを人に向けなければ大丈夫かな……」


 ステータスを見ながら、何が使用したらダメかなと考えていたのだが、よく見たらほとんどの戦闘系スキルが消えているか封印中になっていた。


 使えるとしたら【二刀流】位しかないのだけど……そうか、【白銀二刀流】はスキル欄には載らない代わりにスキルが無くても使える筈なんだけど、使うなら【魔装】は必須ではある。


 しかし【魔装】は消えて、代わりに【魔導神装】が入っているんだけど最適化中なんだよな……


 あと【魔導剣】とかの多用していたスキルが消えたけど、使えなくなってしまったのかな?


 その辺のスキルを早く試してみたいから、こっそり部屋で使いたいけど不用意に使うのは怖いので学校の授業で使える環境まで我慢するしかないかな……



 次の日、自分は一週間ぶりに学校へ来ていた。


 よく考えたら、転入初日に倒れて一週間入院って……微妙な印象だよなぁ。


 一応、予定としたら、この大陸は2年位しか居ない予定だけど、多少は学校に通うなら新しい友達も作れたら良いなと思ったけど、いきなりつまずいた感じだな。


「大丈夫ですか、レイくん。 何か心配事ですか?」


「大した事じゃないんだけど、転入早々に一週間も休んだから印象が微妙かなと思ったんだよね」


「微妙と言うより謎な存在って感じだと思いますよ。適性検査で大丈夫だったのに、【魔導変異薬】で倒れた異国の2人組ってのがクラスメイトの印象ですね。私も登校したらクラスメイトから質問攻めに会いました」


「ああ、確かに話題にはなりそうだね。友達は出来た?」


「そうですね、席の近い子とは少し話しましたけど、それ以外はあまり話してないですね」


「そうなの?」


 テレーザさんみたいに見た目も良くて、性格も良ければ友達はいっぱい出来そうな気がするけどな……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る