第409話 ジュピリアス冒険者学校 ステータス ③

「【魔眼】【天眼】【朱眼】【絶眼】【心眼】の5つの眼を総称して【異能眼】と呼ぶらしいです。そして、【天眼】は私が先ほど話した通りで天使族が【魔導変異薬】により発現する【異能眼】で、天使族固有のスキルを発動するのに必要な眼らしいです」


「ってことは今でも天使族は存在するの?」


「……信じられない話ですが、存在するみたいです」


「でも街中で羽の生えた人は見かけなかったよ?」


 羽の生えた人が1人でも町中に居れば、流石に気が付くとは思うのだけど1人も見たことは居なかった。


「羽は任意のタイミングで発現出来るのだと思いますよ。だから、見た目では分からないかもしれません」


「なるほどね……ちなみに他の【異能眼】ってどんなのなの?」


「授業で解説された内容ですが、【朱眼】は身体能力を劇的に上昇させるタイプが多いらしく、獣人族や巨人族に発現しやすいみたいです」


「へ~、身体能力の上昇か。僕が一番欲しい能力ではあるかな……」


 そう言えば、一生懸命頑張って習得した身体強化スキルも消えていたんだよな。


 もしかして、身体を動かすのが下手になってたりしないよな?


 地味に有り得るから、怖いな……


「レイくんは身体能力が無くても遠距離攻撃が得意ですから問題無いんじゃないですか?」


「近接戦闘が出来ないと強敵との戦いでは致命的な場合が多いと思うんだよね、近接戦闘用の鎧も壊れてしまったし……」


 この大陸で使える共通通貨は全く持っていないので、お金が無いのと同じ今の状況では、【オルタナティブアーマー】を修理するだけの素材を買うことすら出来ないのだ。


「レイくんに近寄って来た敵は私が倒します!」


「ありがとう……そういえば【天翔眼】にも身体能力を上昇させるタイプのスキルがあったよね?」


「はい、身体能力を上昇させるスキルもありますね。それで【絶眼】は防御壁を身体の表面に展開させるタイプの眼らしく、【天眼】は【朱眼】と【絶眼】の中間みたいなイメージで良いかもしれません」


「【絶眼】は防御特化なのか……若干だけど、僕の戦闘スタイルに似ているかな……」


「確かにレイくんの見えない壁と似ているかもしれませんね」


「それで、【心眼】は?」


「精神操作系の【異能眼】らしいです。相手の考えている事を読んだり、自身の精神力を強化したりなどです」


「うわっ、それが一番怖いな……」


「はい、先生も注意必要だと言っていました。しかも、相手の精神に干渉するタイプのスキルや【異能眼】は勝手に相手へ使えば違法らしくて、かなり重たい刑になるみたいです」


「なるほど……」


 って事は自分の【鑑定眼】も人に対しては使ってはダメなんだろうな……


 やっぱり、今まで通り物や魔獣に対してのみ【鑑定】を使おうかなと思った。


「それで、【魔眼】は?」


 一応、【魔眼】に関しては詳しいつもりではあるけれど、気になることがいくつかあるので、多分だけど自分にも分からない情報があるだろうと思っていた。


「……それが、【魔眼】は他の【異能眼】に比べて能力が低い代わりに種類が多いって説明しか無かったです」


「それだけ? まあ、種類が多いってのはあってるから、当たっているけど……」


 確かに【魔眼】は種類が多くて【イーストエンド】でも多種多様な【魔眼】があるって聞いていたけど、能力が低いとは思えなかったので、そこに違和感を覚えた。


 やはり全てが【イーストエンド】であった常識とは違う気がするな……


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