第408話 ジュピリアス冒険者学校 ステータス ②
自分は【科学魔導研究所】にいた白衣の女性から、分からないことをいろいろ聞きたかったのだが、この研究所で働いている人は皆、忙しいらしくてあまり長話をしている余裕は無いと言われてしまった。
まあ、白衣の女性が言うにはジュピリアス冒険者学校でほとんどの事は私以上に詳しく説明してくれるはずみたいた。
そして、自分は【科学魔導研究所】を出ようとしたら、ちょうどテレーザさんが知らせを聞いて、【科学魔導研究所】に来てくれたタイミングだった。
「レイくん、目が覚めて良かったです! レイくんが目覚めなかったらどうしようかと思いましたよ」
「心配かけてごめんね。 まさか一週間近く寝ているとは思わなかったよ。テレーザさんも1日だけど倒れたらしいけど、大丈夫だった?」
「その事なんですが、レイくんは【ステータス画面】を見ましたか?」
「うん、見たよ。いろいろと凄い事になっていたんだけど、もしかしてテレーザさんも?」
「はい、私の【ステータス画面】も凄い事になっていました。詳しくは宿に戻ってから話しましょう。あまり他の人には聞かれない方が良いと思いますから」
「確かにね……」
それから自分とテレーザさんは学校に通う間に住む宿に向かった。
この宿はダリエスさんの紹介で泊まることが出来た場所で、間取りは3LDKもあり、かなり高そうな宿なのだが訳があって無料で自分達に貸してくれる事になった。
最初は無料で借りるのは申し訳ないからと断ったのだけど、この部屋はこの前のダンジョン攻略で亡くなったパーティーが部屋を3年契約で借りていて、宿泊費も全額払っていたらしい。
ダリエスさんの話しぶりからだと、他にも泊まって欲しい理由がありそうな感じだったが、テレーザさんと話し合った結果、学校を卒業するまでの間はお世話になることになった。
了承した時のダリエスさんの嬉しそうな笑顔が印象的だったのだけど、何でなのかは謎のままだ。
自分は部屋に戻り、落ち着いたところでステータスについて話し合う事になった。
「僕が【科学魔導研究所】の人から聞いた話だと、普通の人は【ステータス画面】を開く事が出来ず、スキルを調べたい場合は技能測定器を使わないと分からないらしいんだよね」
「私も同じことを学校の授業で習いました」
「テレーザさんは【ステータス画面】を開けるんだよね?」
「はい、普通に開けるので技能測定器を使わなくてもスキルが分かりますよ」
「技能測定器は使った?」
「はい、私のスキルはレベル1の【天眼】のみだと言われました」
「ん? 【天眼】? テレーザさんのは【天翔眼】じゃなかった?」
「そうです、私の【ステータス画面】とは違う結果になりましたけど、【天眼】とは【天翔眼】などの天使族が使えたとされるいくつかある特殊な眼の総称ですから、間違えではないのですが、現在では大戦により【天使族】が存在しないので、【天眼】は【天翔眼】のみになっています」
「なるほどね、僕の持っている【魔眼】みたいな感じか……」
【魔眼】と一括りにしているけど、【魔眼】には沢山の種類があるので【天眼】も似たような感じなのかなと思った。
でも、【天眼】が天使族の眼が発祥なら【魔眼】にも発祥となる種族がいるのだろうか?
「ちなみにテレーザさんのスキルは本来なら【天翔眼】以外もあるんだよね?」
「はい、ほとんどのスキルが最適化中となっていて使えませんが、新しいスキルが増えたりしています」
「最適化中ってのも僕と同じか、ちなみに【天眼】のレベル1って何か分かる?」
「はい、レイくんが知りたいだろうと思ってザビル先生に聞きました。この大陸では【魔導変異薬】を使用した人のほとんどが【魔眼】【天眼】【朱眼】【絶眼】【心眼】のどれかを発現するみたいです」
「えっ、【魔眼】や【天眼】の他にもいろいろあるの? しかも、【天眼】は天使族しか発現しないんじゃないの?」
何だか別大陸に飛ばされてから知らない情報がどんどん出てきて訳が分からなくなって来たな……
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