第404話 ジュピリアス冒険者育成学校

「今日からみんなと一緒に学んでいく事になったレイくんとテレーザくんだ」


「レイです。かなり遠くの地域から最近になって【ジュピリアス】に来たばかりで、いろいろ聞いたりするかもしれませんがよろしくお願いします」


「テレーザです、レイくんと同じ状況なんですがよろしくお願いします」


 自分とテレーザさんは【ジュピリアス】に来てから3日しか経っていなくて、本来なら転入にはいろいろ手続きが大変である程度の期間が必要らしいが、職業案内所の方が頑張ってくれたおかげで、すぐにジュピリアス冒険者へ入学する事が出来る様になった。


「おい、テレーザさんって超可愛くないか?」

「ああ、まるで天使族みたいだ……」

「やべぇ、テンションが上がって来たぜ!」

「あのレイくんも可愛い系なのにミステリアスな感じが良いわね」

「……ん、良い」

「あの2人ってどういう関係なんだ? 見た目が全く違うから……」


「お前等、うるさいぞ!! 今日は忙しいんだから静かにしろ!」


 自分達の簡単な自己紹介が終わると、クラスメイト達がザワザワしだしたが、担任教師の一言で静かになる。


 担任教師はザビル先生で、褐色肌に金髪でゴリゴリの筋肉をした巨体で、見た目からしてパワー系の前衛職だろうと思われる。


 そう言えば、自分達は【ジュピリアス】に来てから一番びっくりしたのは、この大陸に住む人達の髪色は金か白銀、黒の3種類しかなくて、瞳の色は金色、青色、黒色しかいない事だった。


 この世界に転生して、初めて衝撃を受けたファンタジー的なカラフルな髪色の人は染めている以外いなくて、前世の世界に近い感じだなと思った。


 最初は地域性から、たまたま似たような髪色などしか居ないのかなと思って聞いてみたら、何を言っているんだ?的な顔をされてしまった。


 テレーザさんの髪色は元々が白銀に近い金色で、自分は飛ばされてからは黒髪のままにしていたので、たまたま誰も違和感が無かったのだ。


 そして、髪色などが3種類しか居ないと聞いて、まず疑問に思ったのが属性だったのだけど、受付のお姉さんの話では、属性ってなんですか?って返答だった。


 結論から言うと、得意な属性や不得意な属性はあっても、固定属性という事は無いらしい。


 だから、みんな【適性職】で取得出来るスキルには様々な属性があるのだそうだ。


 まあ、属性に関しては忙しい受付のお姉さんに聞くより、学校の授業でやるらしいので詳しくは聞くことが出来なかったが、大陸が違うだけでここまで違うものなのか?と思ってしまった。


「さてと、編入したばかりの2人には本来はクラスメイトの紹介をゆっくりとしたいところなのだが、2人にも伝えている様に今日は忙しい為に、明日にさせてもらう」


「はい、分かりました」


「それじゃあ、さっそく【適性検査】を受けに講堂に行くぞ!」


「「はい!」」


 そう、何故自分達はすぐに編入したかというと、今日はジュピリアス冒険者学校で【適性検査】がある日だったからだ。


 既にクラスメイトは入学してから半年位経過しているから、本来なら既に【適性検査】を受けていてもおかしくないのだけど、【ジュピリアス】にある【科学魔導研究所】の方でトラブルがあった為に今年に限り、予定により大幅にずれ込んだらしい。


 そして、今日を逃してしまうといつ【適性検査】を受けられるか未定みたいだから、タイミング的には良かったと言える。


クラスメイトの人数は30人位いて、それが6クラスあるのでジュピリアス冒険者学校の1年生だけで180人近くもいるのは凄いなと思った。


それだけ冒険者というものが人気なのだろうか?


それとも【ジュピリアス】は首都では無いが、首都に近い規模の大都市だからなのかは不明だな。


講堂へ向かう為に、校内に移動しているが【イーストエンド】での学校に比べて全てにおいて規模が違うなと思った。

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