第396話 ブラットとディアナ ②
【ブラット視点】
俺はベヒーモスの言うとおりに制服ではない服を着たり髪型を変えて、ディアナさんと待ち合わせしている広場で待っていた。
『何で髪型とか服を変えり髪型を変える必要あるのか?』
『お前は本当に何にも分かってないな……身体を鍛え過ぎじゃないのか?』
『身体を鍛え過ぎで何が悪いんだ? オヤジからは昔から常に身体を鍛えろって言われてたぜ』
『まあ、悪くはないんだが……そうか、お前もガインの被害者なのかもしれないな……』
『どういう事だ?』
『いや、気にしなくていい。ちょっとは力を貸しても良いかなと思っただけだ』
『力を貸してくれるのはありがたいんだが……』
あれだけ協力するのに嫌がっていたベヒーモスが、急に協力すると言い出した理由がよく分からないなと思った。
『それにしても何で待ち合わせ時間よりも1時間も早く来たんだよ。明らかに時間の無駄じゃないか?』
俺もレイを見習って多少は早めに行動する習慣がついているけど、ベヒーモスの指定した時間は明らかに早すぎると思った。
『まだ甘いな……オレの予想ではそろそろ彼女は来るぞ。あと彼女から早く来ていた理由を聞かれたら、楽しみだったからとかそんな感じの事を言っておけば問題ない』
『まだ待ち合わせ時間には30分近くあるから来ないだろ……』
ベヒーモスの言うことを疑い始めていた矢先に……
「あれ!? ブラットくん?」
ディアナさんも制服ではなく青のワンピース?っぽいのを着ていていつもとは雰囲気が違っていて新鮮だなと思った。
ベヒーモスの言う通り、たまには制服じゃなくて良かったかもしれないな。
「私が時間を間違えたか? あっ、でも合ってるな……何でこんなに早いんだ? それにいつものブラットくんじゃないみたいだな」
『ほら、予定通り言えよ?』
『あ、ああ』
「いや、俺が楽しみだったから早く着ちゃったんだ。それに髪型変じゃないか?」
「それは嬉しいな……髪型も似合っていていい感じだぞ」
「そうか? ありがとうな」
そう言えば髪型を褒められたのは初めてかもしれないな……
「今日はどこに食べに行くんだ?」
今日の食べる場所はディアナさんが決めさせて欲しいと言っていたから、どこに行くのか全く分からないんだよな。
「ブラットくんはパンが好きだって聞いていたからな、最近人気のパンが食べ放題のお店に行こうと思っているんだが、どうだ?」
「それは楽しみだな!」
新しいパン屋か。
よくエレナから、そう言う新店の情報は聞いていたが、最近のエレナは忙しそうで、そう言う情報が聞けるのはちょうど良かったなと思った。
「いい匂いがして美味そうだな」
ディアナさんが連れてきてくれたお店はレストランとパン屋がくっついるらしくて、店内で食べても良いし、パンを持ち帰っても良いらしい。
寮からは少し離れてはいるが美味かったらたまに買いに来るのも良いかもな。
「えっ、ブラットくん?」
「ん?」
店内に入ると何故か紙袋を持って帰ろうとしていたニナさんと遭遇する事になった。
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