第388話 魔狼ダンジョン攻略
自分とテレーザさんは【ティム】した魔狼に乗っかり魔狼ダンジョン第3層を駆け抜けていた。
【ティム】した魔狼は第2層に入った途端に更に身体が大きくなり、馬くらいのサイズになっていた。
ダンジョンは下層に向かうほど【魔素】の濃度が上がるので、もしかしたら【魔素】の影響で大きくなったのではないかなと思っていた。
そして、大きくなった魔狼は背中に乗ってくれと言わんばかりにしゃがみこみ、自分達が背中に乗っかると凄いスピードで走り出した。
しかも、魔狼はダンジョン出身だからか、次の階層へ行く階段まで最短ルートで駆け抜けたので、あっという間に第3層まで来ていたのだ。
ちなみにダンジョンの到達階層は【認証の指輪】に記録させるか確認したのだけど反応が無かった……
「到達階層が記録されないって事は【認証の指輪】が正常に作動していないって事かな? となると復帰も無理かもしれないから、更に慎重にならないとな……」
とりあえずは【魔喰】は封印されて【認証の指輪】を装着は出来たけど、指輪自体の機能が正常に作動していないのが確認出来たのは大きいかもしれない。
「レイくん……私の【認証の指輪】も記録されていないので、もしかしたらダンジョンの異常が影響しているかもしれませんね」
「あ~、テレーザさんの【認証の指輪】も反応しないのか……そしたらダンジョンの暴走状態が異常なのか……」
「はっきりとした事が分からない以上は復帰は出来ないと思って進みましょう」
「そうだね。【認証の指輪】が使えないって事は階層転移も使えないのかな? これだけ早く進んでいるのに冒険者達と遭遇しないって事は抜き去ったかな……もしくは暴走状態でも一気に最下層まで行く方法があるかだね」
「そうですね、魔狼ダンジョンが何階層か分かりませんが、多分どちらかでしょうね」
「そうなると判断に迷うけど……行けるところまで行ってみようか」
あれだけに人数で行動しているので広大な草原フィールドだとしても通り過ぎる可能性は無いわけではないが、低いかなと思っていた。
そうなると自分が最下層に着いたときにはボスの討伐は終わっているかもしれないなと思ったが、それはそれで良いかな……元々素材とかが欲しかったわけでも無いし、冒険者登録もしていないのでダンジョン攻略しても無効だろう。
そう考えながら自分達は魔狼に乗りながら、どんどんとダンジョン攻略していくのだが……第5階層に到着すると。
「うーん、ちょっとこれは魔狼なのかな? 頭に角とか生えてるし、別の種族なんじゃないかな?」
ワフッ?
魔狼は可愛い鳴き声をしているが、全長3メートル位の巨体になり、身体も真っ黒に変色しているので全く魔狼に見えない……しかし、【鑑定】してみても魔狼のままなので、魔狼とかどんだけ幅が広いのだろうと思ってしまった。
「でもこの魔狼ちゃんのおかげで予想以上にダンジョン攻略のスピードが短縮されて助かりますよね」
「うん、この魔狼を地上に連れ出せればあっという間に【スカウトフォート】へ行けるんじゃないのかな」
魔狼のスピードは明らかに馬車より速いし、さっきから襲ってくる魔狼も車に当たったかの様に吹き飛ばされていた。
それから、ダンジョン攻略は魔狼のおかげで順調に進み、なんと自分とテレーザさんが活躍することなく、ダンジョンに入ってから2時間程で第10階層まで到達してしまった。
10階層は他の階層とは違い、広大な草原ではなく岩の壁で囲まれた大広間だった。
そして、目の前にはダンジョンボスと思われる超巨大な魔狼がいて……
「レイくん! 冒険者達がヤバイです!」
「うん、早く助けないと!」
超巨大な魔狼の足下には倒れている冒険者達が20人位いて、冒険者達のリーダーっぽい大きな盾を装備した男性と白いローブ姿の女性がダンジョンボスの魔狼と満身創痍な身体で戦っている姿が目に映った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます