第366話 血塗られし生命の嘆きの龍
自分はテレーザさんに【魔導工房】という名前は伏せて、【ストレージ】みたいな異空間に入ることが出来る事を教えておいた。
テレーザさんはセシリアみたいに【魔素通話】などで【魔導工房】内にいる自分と会話する方法がないので、長時間は【魔導工房】に入るつもりは無いけど、定期的にやらなくてはいけないこともあったので、テレーザさんがログハウス内で起きている時に限定して【魔導工房】に入る事にした。
街の宿屋など夜中でも安全な場所が確保できるのなら、夜中にもっと【魔導工房】内に居られるんだけど、いつ魔獣がログハウスに攻めてくるか分からないので仕方ないかなとは思う。
「街に入るためにも早く【認証の指輪】問題を解決しないとな……」
自分とセシリアだけなら街へはこっそりと侵入するのでも有りなのだけど、流石にテレーザさんにそんな事をさせる訳にはいかないと思うし、ひとりだけ街に向かわせるのも可哀想だなと考えていた。
自分なりに【認証の指輪】を解析をしてみた結果、この【認証の指輪】は【魔法具】ではないので、現在の自分には再現が出来ないだろうというのが分かった……
なので、やはり【魔喰】の方を発動させないようにするか、【魔喰】を封印させるかのどちらかなと考えていた。
ちなみに【魔喰】は全く制御出来ていないので、何故【認証の指輪】の効果を無力化させるのに【魔導具】や【魔法具】の効果は無力化しないとか、発動する基準が分からないので、ある意味いつ爆発するのか分からない爆弾を抱えているみたいなものだろう。
なので、【吸魔の呪面】みたいな【魔導具】で【魔喰】を無効化するのも対策としては有りかもしれないが……フレイザードさん達、【魔眼使い】の希望である【魔喰】を使えなくしてしまうのは躊躇ってしまう側面もあるので、難しいところだなと思っていた。
だから理想的には【魔喰】の【認証の指輪】を無効化してしまう能力を封印したいと考えているのだけど……どうしようかな?
そう考えると【テイム】した蜘蛛達の作った蜘蛛糸が手元に無いのが悔やまれるな……
今、【魔導工房】内にある素材は【神紙】と他は少量の素材だけで、【魔石】すらセシリアに買い出しを頼んでいた位だからな……
「はぁ……せめて街に行ければいろいろ買い出しが出来るんだろうけど、その街に行くために悩んでいるんだよな」
思考がぐるぐると纏まらずにしていたら、【魔導工房】の片隅にあった【血液濃縮循環機】にたまたま目が止まったのだけど……あれは何だ?
【血液濃縮循環機】内を泳ぐ気持ち悪いウミヘビみたいな生物がいた……
何で【魔導工房】内に生きている生物がいるんだ?
この中は自分がセシリアみたいな【魔導生命体】じゃないと入る事すら出来ないと実証済みだったはずだ。
自分はとっさに【鑑定】を発動させたのだが、【鑑定】結果に更に驚くのだった……
【血塗られし生命の嘆きの龍】 生命を奪う対価に指定の生命を封印する血龍紙。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます