第361話 レイの行方
【セシリア視点】
私がマスターの用事を済ませて屋敷に戻ると、慌てたカーラさんとマギリさんが部下の者に指示を出していた。
あの部下達は影の護衛部隊の筈なのですが、表に出てきても良いのでしょうか?
「マギリ! 何としてもあの男女ふたりと子供ひとりを探し出せ!」
「分かりました、速やかに国内を探しだします……」
「カーラ先生、どうしたのですか?」
「あ、セシリア……」
カーラさんとマギリさんは私の顔を見るなり、ヤバイという感じになったのでマスター絡みのトラブルだとすぐに分かった。
「マスターがどうしたのですか?」
「それが、私にも分からないんだが……」
カーラさんの話ではカーラさんとテレーザさんは魔獣狩りの為に街近くの森に向かっていたら、突然テレーザさんが走り出し、追いついた時には男女3人とマスター、テレーザさんが何かをしていてマスターとテレーザさんの背後に突然現れた黒い球に飲み込まれてしまったらしい。
その後、男女3人を捕まえようとしたがもの凄いスピードで逃げてしまったので見失ってしまったらしい。
その男女3人は変装したフレイザードさん、ペンザエモンさん、ジェーンさんの3人のことでしょう……マスターに【魔素通話】をしてみるけど反応が無い?
【同期】によりマスターの身体は無傷だとは分かるからとりあえずは安心ですが……
「分かりました、私が調べてきます。カーラ先生達は待機していてもらえますか?」
「そんな訳にはいかないだろう! テレーザやレイが殺されたかもしれないんだぞ!?」
「マスターに関しては無傷ですので安心して下さい。テレーザさんが無事かどうかを調べてきます。間違ってもマスターが行方不明だと、マスターの両親にバレないようにして下さいね? 下手したら私達はもちろんですが【スカウトフォート】が地図から消えるかもしれません」
「レイの両親か……」
「山を一瞬にして湖へ変えてしまう彼らなら……」
青ざめた表情のカーラさんとマギリさんをおいて、私は詳細を聞き出すために【魔眼協会】へ向かった。
私が【魔眼協会】の入口付近に着いたら、変装しているフレイザードさんが出迎えてくれた。
「来てくれると思っていたのじゃ。レイくんの現状を説明したいのじゃ」
「はい、私もマスターに何があったのか知りたいです」
それから私はフレイザードさんから森で何があったのかを聞くことが出来た。私の方もフレイザードさんにマスターは無事だという事を伝えておいた。
そして、テレーザさんの事も聞いてみたらマスターが無事なら一緒にいたテレーザさんもほぼ無事だろうという話でした。
「それではマスターは数日位で戻って来るのですか?」
「それなのじゃが……近ければ数日で遠いとどれぐらいの期間で帰って来れるかは不明になってしまうのじゃ」
マスターと【魔素通話】が通じないのは距離が遠すぎるからでしょうか?
もし、そんなに離れた場所に移動させられたとするならば、【魔素通話】が通じないのも納得出来ます。
その場合はむやめに探しに行くよりもマスターの帰りを待っていた方が良いかもしれないですね。
「あと、問題は長期間マスターが不在だった場合、マスターの両親にばれてしまう可能性でしょうか……」
もしかしたら、正直に話した方が良いのでしょうか?
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