第349話 久しぶりの幼なじみ達
コーデリアとシンシアが転校して行った日。
自分はブラットとエレナには話しておこうかなと思っていた。
一応、【聖教会】が絡んでいる事を知っているのは、カーラ先生、テレーザさんのふたりだけにしておく事にした。
「………そんな訳で突然だけど、コーデリアとシンシアは【レイクハート】にある学校に転校する事になったよ」
「そうなったんにゃね……」
「そっか、ふたりはそういう選択をしたんだな……」
「あれ? 思ったより驚かない?」
自分の中ではかなり衝撃的なニュースだっんだけど、ふたりの表情を見る限りは、そういう可能性もあったかもねって感じだった。
「十分に驚いているにゃよ」
「ああ、驚いてるぜ。だけど、ふたりの強くなりたいって気持ちがあるなら他国に行くのもありかなど思っただけだぜ」
ちょっと不思議に思ったけど、勘の鋭いふたりならそこまで予測していたのかもしれないなと思うことにした。
「そうなんだね、僕はふたりが転校するとは全然予測していなかったよ……」
「まあな、俺やエレナもふたりがレイの元から離れるのはほとんど無いと思っていたけどな」
「そうだにゃ、私も学生のうちはこのままかにゃと思っていたにゃ。それだけふたりとレイとの力が離れすぎていたのかもにゃ」
「それはあるかもな……それでレイのパーティーはふたりの脱退によりパーティー解散になるだろ、別のパーティーにでも入るのか?」
「うーん、ダンジョン攻略は3年生までやらなくても大丈夫そうだから、とりあえずお休みするし、今のところはセシリアとの2人組パーティーとして解散しないで継続かな……」
本当はダンジョン攻略をガンガン進めたいけど、【認証の指輪】が機能していないのでちょっと不安が残る部分なので、残念だけどダンジョンには行かないことにしていた。
【認証の指輪】みたいなものが作れたら良いんだけど、あれは謎過ぎる超ハイテク指輪だから、再現は難しいだろうなぁ。
「そうか、ダンジョン攻略するなら俺達のパーティーに入っても面白いと思ったんだけどな……」
「それは楽しそうにゃね、テレーザも喜びそうにゃ」
「まあ、ダンジョン攻略じゃないけど、今度エレナとテレーザさんも含めて、魔獣狩りでも行ってみたいね」
「それは楽しそうだな! レイやテレーザさんと討伐数とか競ったら楽しそうだぜ」
「私が入ってないにゃ」
確かにブラットの競うカウントにはエレナが入っていないが、その理由は自分もすぐに分かる。
「……エレナと討伐数を競うのか? 3対1なら良いけど、ダンジョンですら圧倒的に勝てないのに街の外で競って勝てる要素が全く無いだろ?」
低学年の時からエレナの狩りはエリーさん仕込みで無双状態だったのに、それが更にパワーアップしていれば、流石のブラットも挑む気にすらならなくなってしまうのはよく分かる。
「それは残念にゃ……」
「でも3対1みたいなハンデ戦なら楽しいかもね。あとは特殊ルールでやるとかね」
「じゃあ、その特殊ルールはレイに任せるにゃ!」
「俺もそれで良いぜ」
自分達は昔みたいにみんなで遊ぶ約束をするのだった。
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