第327話 舞演祭 2日目 ②
自分は新たな神素材を手に入れるべく、試す候補を考えていた。
有力な候補と考えているのは皮加工や糸生成なんだけど、前世では両方とも経験はないのでやり方が分からないのがネックだった。
何故皮加工や糸生成を考えているかというと、前世で服を作るのは得意だったから、神素材さえ手に入れば服にするのは容易だと考えたからだ。
「カーラ先生に聞いてみようかな?」
糸生成は無理でも皮加工は冒険者であるカーラ先生ならもしかしたら出来るかな?と考えていた。
「皮は魔獣などからならいくらでも取れるかもしれませんが、糸生成の材料はどうするのですか? 植物から採取するのですか?」
「糸の材料に関しては【テイム】を利用しようかなと思ってるよ」
「【テイム】ですか?」
「うん、あまり見た目的には嫌なんだけど、蜘蛛を【テイム】しようかなとね」
「なるほど、蜘蛛の糸を加工するのですね」
前世で蜘蛛の糸は高性能の糸になると聞いたことがあったので、【テイム】をした蜘蛛なら大量生産出来るのではないかと考えていた。
「ですが、蜘蛛に脳があるのですか?」
「えっ? ……それは分からないんだけど、あるよね?」
「私にも蜘蛛の情報が無いのでわかりませんが、良ければ明日にでも蜘蛛を仕入れてきましょうか?」
「あ~そうだね。あまり毒々しくない小さめのやつを探してきてもらえないかな?」
自分で蜘蛛を【テイム】するとは言ったけど、蜘蛛は好きな方ではないから出来れば小さい方が良いのかなと思った。
「わかりました。では明日は別行動にします。」
「うん、明日はマギリさんも隠れて護衛してくれているだろうから大丈夫だよ。本当に危なくなればあのスキルも使うし……」
「……呼んでいただければすぐに向かいますので極力あのスキルは控えてください」
「うん、分かっているよ。皮についてカーラ先生に聞きにいこうかな」
リビングに向かうとカーラ先生はいつも通りつまみを食べながら酒を飲んでいた。
最近はカーラ先生の家にお世話になっているのでカーラ先生用のおつまみを用意しているのだけど、とても気に入っており毎日長時間飲んでいるのだ。
「カーラ先生、聞きたい事があるんですけど、良いですか?」
「あ? どうした?」
「皮の加工方法を知りたいなと思ったんですけど、分かりますか?」
「加工って私は皮を剥ぐ方法しか知らないぞ? 加工方法を知りたければマギリに聞いた方が良いんじゃないか?」
「マギリさんが詳しいんですか?」
「ああ、あいつはいろんな事を出来て便利だぞ……おい、マギリ! レイに皮の加工方法を教えてやれ」
「カーラ、突然どうしたのですか?」
マギリさんが奥の部屋から怪訝な顔をしながら出てきた。
「レイが皮の加工方法を知りたいらしいから教えてやれ」
「加工方法? それは皮のなめしかたですか?」
「はい、魔獣から剥いだ皮をなめす方法を教えて欲しいんですけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ、ですが多分買った方が良いと思いますよ?」
「自分で加工したいのでお願いします」
自分はマギリさんに皮のなめし方を教わる約束をするのだった。
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