第326話 舞演祭 2日目
【魔眼協会】から帰ってきた後、自分は【魔眼協会】の子供達を救う為の【魔導具】をどうすれば良いか考えていた。
今のところは【吸魔の呪面】が呪い装備ながら一番良さそうな性能だったのだけど、これが同じ作り方をやっても完成品は別物になってしまい、どうすれば同じものが作れるかが悩みどころだった。
最初は【神紙】や【神木材】を使う【魔導具】が一番封印関係の【魔導具】を作成するのに適しているだろうと思っていたんだけどな……
そもそも何で呪い装備とかが出来るのか、原因が分からないんだよな……
こうなったらいろいろ試してみるしか無いのかな?
そうなると【神木材】の在庫が無くなったのは、とても痛いなと思った。
【神紙】や【神木材】は木材の加工段階で出来た副産物みたいなものだからな、どこかで大量の木材を加工させてくれる場所があれば良いんだけど、今は【神紙】しか無いので【神紙】を使った【魔導具】を考える事にした。
【神紙】は基本的に紙状なので単体では【魔導具】にするのは難しいから、ほとんど補助的な使い方しか出来ていない。
これを何とか出来ないかな?
【魔導工房】内で悩んでいたら、最近は量産状態にしたまま放置作業中の【血液濃縮循環機】が目に付いた。
そして何故か自分は【血液濃縮循環機】に【神紙】を入れてみようかな?という衝動にかられてしまった。
ポチャ……
【血液濃縮循環機】に入れた【神紙】は血の色に染まることなく白いままだった。
流石はいろいろな耐性を持つ【神紙】だな……しかしこれは失敗だな。
自分は【血液濃縮循環機】から【神紙】を取り出そうとしたら、部屋で待機中のセシリアから連絡が来てしまった。
『マスター、マギリさんが部屋に向かって来ています』
『あっ、やばい! 早く部屋に戻らないと!』
『到着まであと30秒程です……』
自分は【血液濃縮循環機】から【神紙】を取り出すのを諦めて、急いで【魔導工房】から部屋に戻る。
「ふぅ……残り30秒ってギリギリだよね」
「リビングからこちらの部屋に向かうまで約1分位しかないので仕方ないですね」
コンコン……
「レイさん、部屋にいますか?」
「はい! 大丈夫ですよ!」
「わかりました、しっかり部屋に居て下さいよ?」
「はい」
マギリさんは自分が部屋に居るのを確認出来たので、部屋には入らずに離れていった。
「【魔導具】の開発はどうですか?」
「うーん、上手くいかないね……【神木材】も在庫が無いし、今までとは違う方法を考えないとダメかな……」
「【神木材】を量産しますか?」
「いや、丸太を大量に買うにしても【神木材】にならなかった木材の使い道が無いから無駄になっちゃうから保留かな。【神木材】を使えば確実に欲しい【魔導具】が作れるって分かるならやるけどね」
まてよ……
丸太や鋼材を加工したら【神木材】や【神鋼材】が作れたのなら他の素材も自分が加工したら低確率かもしれないけど、チート級の素材に変化するんじゃないのか?
自分は【魔導工房】には戻らず、新たな素材を思案する事にしていた。
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