第325話 魔眼の子供達

 自分は【魔眼協会】の住居エリアでフレイザードさんとペンザエモンさんが話し合っているのをジェーンさんとかと一緒に話を聞いていた。


【魔王】が居ると言うことは、どこかに【聖人】もいるのではないかとフレイザードさんは心配していた。


【魔王】アミルだけが舞演祭に居るだけならば屋台を食べにきただけとも考えられるらしいが、【魔王】と【聖人】は基本的にはセットで行動する事が多いらしいので、【聖人】がいるのだとしたら【スカウトフォート】へ来た目的などを知りたいと考えてるみたいだった。


「もし【魔王】アミルと戦う事になったら、我が輩だけでは勝つのが難しいでござるな……」


「そうじゃな、アミルは【魔王】の中でもトップクラスに強いと噂されているのじゃ、ワシやペンザエモンが2人がかりでも勝てないと思うのじゃ」


「やはりやり過ごすまでは下手に行動しない方が無難でござるな」


「あの、僕もあまり外に出ない方が良いですか?」


「レイ殿は大丈夫でござる、但し【魔導】や【魔導具】の使用は控えた方が良いでござる」


「分かりました、極力外では【魔導】を使わないようにします。ちなみに【魔眼使い】だとバレたらどうしたら良いんですか? 逃げたりとか……」


「逃げたら絶対にダメでござるよ、怪しまれるしレイ殿が【魔王】から逃げるのはほぼ無理でござる。【魔眼使い】だとバレても【魔眼協会】との関係が無ければ全く問題は無いので、野良の【魔眼使い】だと思わせるしか無いでござる」


「なるほど……」


【魔眼協会】と【聖教会】の仲があまり良くないだけで、【魔眼使い】と【聖教会】は別に問題ないんだった……


「それなら屋台を少人数でやれれば大丈夫って事ですか?」


「レイ殿は【魔眼】が安定しているから問題無いでござるが、ここの子供達みたいに不安定な【魔眼使い】は【聖教会】に連れてかれてしまいでござる」


「じゃあ、ダメですね……」


 やっぱり子供達が屋台を続けるのは無理かぁ。


「とりあえず我が輩達でも【聖人】を探す作業はしておくでござる」


「任せるのじゃ」


 そう言うとフレイザードさんとペンザエモンさんは、どこかへ忙しそうに移動していった。


 残った子供達は楽しみにしていた屋台が中止になって落ち込んでいたが、しばらくしたらリーダー格の子供が「短時間だけどいっぱい売れただけで満足しよう」と前向きになるような言葉を聞いて、子供達は頷きだした。


『マスター、【魔眼】を封印出来る【魔導具】が完成したなら、子供達にセシリアショップで働いてもらうのはどうでしょうか?』


 子供達の事で悩んでいたら、セシリアからそのうち完成予定がセシリアショップ働いてもらったらどうかという提案があった


『ああ、それは良いかもしれないね』


 なんだったらセシリアショップ自体はまだオープン出来ないけど、屋台みたいに唐揚げとかだけ売るのも有りかな思った。


 やっぱり【魔眼】を封印出来る【魔導具】の開発は急務だなと思うのだった。



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