第318話 吸魔の呪面 ②
自分は授業が終わると【吸魔の呪面】を持って【魔眼協会】へ向かっていた。
ちなみにコーデリアとシンシアによる今日のダンジョン攻略も失敗したみたいで、最近では何回も死ぬのを躊躇わずチャレンジしているらしい。
あそこの19階層はふたりの編成で突破するのは厳しいと思っているのだけど……ふたりは自力で頑張る気なので余計なことはしないで見守る事にした。
せめて盾役がいれば楽に突破出来そうなのにな気もするんだけど……ふたりは【守護聖獣】も禁止しているから、あとはふたりの能力が劇的に上がるか戦いのコツみたいなのを学ぶかしないと無理な気がする。
「ジェーンさんに試したい【魔導具】を持ってきたんですけど、調べてみてもらってもいいですか?」
「なんじゃ? 本当に1日で持ってきたのか?」
「はい、これなんですけど……」
自分は【アイテムボックス】から【吸魔の呪面】を取り出し、フレイザードさんに渡すと【吸魔の呪面】を見て、渋い顔をする。
「ん? 凄い見た目じゃな……流石にこの見た目を女の子に被せるのは……」
「一応、被ると透明になるので見た目は気にしなくても大丈夫です。だけど……」
「ほう、透明になるなんて凄いのじゃ! 【魔眼】を抑えられては透明にもなるなんて、かなりレアな【魔導具】じゃな!」
「いや、ちょっと悪い効果もあって……」
自分はフレイザードさんに呪いの効果も説明する。
「呪い効果の【魔導具】じゃと……呪い効果のあるものは全て【聖教会】の禁忌指定にされるから、わしらやレイくんみたいに【認証の指輪】が機能していない場合は良いが、【認証の指輪】が機能している人には渡したらダメじゃぞ? 場合によっては【聖教会】に拘束されるのじゃ」
「えっ……」
今までに呪いっぽい効果のものを誰かに渡してないかな?
うーん、今回みたいに明らかに呪いっぽいのは無かったよな……?
「もしや、もう誰かに渡したのか?」
「いえ、多分大丈夫です」
「不安な返答じゃな……今後【魔導具】を作るなら一度わしに見せるのじゃ」
「あ、はい……それじゃあ【吸魔の呪面】を預けといて良いですか?」
「それなんじゃが、呪い効果に関しては研究対象が少なすぎて安全性は保証出来ないのじゃ」
「そしたらジェーンさんには使えないですか?」
「いや、それはジェーン次第じゃな。確かジェーンは15歳までしか保たない筈じゃから、その前に試すのは有りだと思っているのじゃ、もしレイくんの言う性能ならジェーンは【魔力】が無くなると生活には困るが普通の人としてずっと生きられる筈じゃ」
「そうですね、【魔法具】が使えない様になったり、【認証の指輪】が使えないと一般的な生活は難しいのかな?」
「まあ、ずっと【魔眼協会】で面倒を見ることも可能じゃから、選択肢が増えるのは歓迎すべき事じゃな」
結局はフレイザードさんが【吸魔の呪面】を一通りチェックした後にジェーンさんに話す事になった。
そして、もし可能なら【吸魔の呪面】をいくつか作って欲しいとも頼まれた。
どうやら舞演祭の屋台に出る子供達は皆、長く生きられても20歳までらしい……
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