第317話 神々の戦い
【ハンタースクール】での授業内容がダンジョン攻略だったので、自分とセシリアはやることがないので図書室に来ていた。
本当なら特に調べたい内容は、ここの図書室には既に無いので教室で待機でも良かったけど、気分転換みたいな意味合いだった。
「何か面白い本とか無いのかな?」
「この図書室内にある本はほとんど記憶しましたが、マスターが読みたそうな本はありませんでしたよ」
「だよね……」
「あら? 授業はどうしたの?」
図書室をふらふら歩いていたら女性の教師らしき人に声をかけられた。
「今日の授業はダンジョン攻略で、自分は卒業のノルマを達成したので暇していたんです」
「1年生なのにもう達成したの? それは随分と優秀ね。私は図書室の司書をしているカテリスよ、何か知りたいことがあれば聞いてね」
「ありがとうございます。ちなみに【マリア学園】とか【聖教会】についての本ってありますか?」
「また珍しい事を知りたがるのね、【聖教会】に就職したいわけじゃないのよね? もし【聖教会】に行きたいなら【ハンタースクール】から転校した方が良いわよ」
「ああ、冒険者になりたいのでそれは大丈夫です」
「そう、それは良かったわ。それで【マリア学園】に関する本は無しで、【聖教会】に関する本は一冊だけね」
「【聖教会】の本はあるんですね。そしたらその本の場所は?」
「でも授業で習うレベルの内容しか載ってないわよ」
「そうなんですか……」
授業で習うレベルの知識は自分でも分かりそうだから、知りたいことは分からないかもしれないな……
「……時間に余裕があるなら私が分かる範囲で知りたいことについて教えましょうか?」
「本当ですか!? ならもし【聖女】と【精霊魔法】について分かるならお願いします!」
「【聖女】様の事なら多少は教えられるけど、【精霊魔法】って実在するかも不明な幻の【魔法】のことよね? 私も昔に書かれた神々の戦いを研究している人の資料をちょっと読んだ位の内容しか教えられないわね」
「それでも構わないのでお願いします!」
その研究内容にある【精霊魔法】とは世界を破壊した神々の戦いより以前の大陸にて古代種と呼ばれる種族なら誰でも使えた技で自在に天候などを操ったりしたらしい。
そして古代種は【神の死徒】として神々の戦いに参戦し、ほとんどが死に絶えてしまったと書かれているをカテリス先生は昔に読んだ事があったらしい。
「神々の戦いとか古代種って初めて聞いたんですけど、実在したか分かっているんですか?」
「図書館みたいにある本などには全く出てこないワードだから私には判断が出来ないわね。でも神々の戦いみたいな世界規模の戦いみたいな話は割とあるから実際にあったのかもしれないわね」
「そういえば、そんな話もあったかもしれないですね……その研究をしている人は【スカウトフォート】にいるんですか?」
「実はその研究者は、かなり昔に謎の組織に誘拐されたらしくて、私はその後の事は知らないのよね」
「えっ、今聞いた研究内容は大丈夫なんですか?」
「不用意に広めなければ大丈夫だと思うわよ」
「分かりました……」
謎の組織に誘拐されるとか嫌なんで、他のひとにこの事を話すのは止めようと思ったのだった。
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