第313話 封印具 ②
自分はジェーンさんを含む子供達の姿を見て、フレイザードさんの元に来ていた。
「どうしたのじゃ?」
「あの【魔喰】の実験はどうなりましたか?」
フレイザードさんに一時はお願いされた【魔喰】による不安定な【魔眼使い】の【魔眼】を吸収して欲しいという話は最初の1回目以降は実施されていなかった。
フレイザードさんの方で原因を調べてみてからでないと危険だからと言っていたけど、あれからどうなったのか知りたかった。
「原因は不明のままじゃな……情報が足りなすぎるのも理由だから他の支部に聞くという手もあるのじゃが……」
「何か問題があるんですか?」
「レイくんみたいな特殊過ぎるケースは黙っていようと思ったのじゃ、ここの支部は穏健派しかおらんから良いのじゃが、過激派に知られたら最悪の場合はレイくんを巡って抗争になりかねないのじゃ」
「それは勘弁して欲しいですね……」
その抗争は絶対にろくな結果にならないのは目に見えているので、巻き込まれるのは勘弁して欲しい。
「こちらに来た理由はそれだけか?」
「えっと、ここにいる子供達が使っている【魔眼】の暴走を抑える【魔導具】の効果ってどれくらいなんですか?」
「ああ、魔力減退効果のある【魔導具】じゃな……あれは日常生活が出来るようになるだけで暴走を抑える効果はほとんど無いのじゃ」
「そうなんですか、なら僕が以前に作った【魔眼】の【封印具】を試しても良いですか?」
「【封印具】? 試す前に調べても良いな?」
「はい、大丈夫ですよ。一応【ハンタースクール】の生徒にも試したら両眼にあった【魔眼】の片方を封印する事で問題はある程度解決しました。」
【封印具】で封印しただけで【魔眼】が安定した訳ではないから根本的な解決にはなっていないけど、猶予は出来た方が良いかなと思っていた。
「それは凄いのじゃ。ちなみに素材は何を使っているのじゃ?」
「素材は紙です」
「ん? ワシには紙と聞こえたが……?」
フレイザードさんは聞き間違えたのかと思ったのか、聞き返してきた。
「はい、紙であってますが普通の紙ではなく特殊な紙だと思っていた下さい。作成方法は……口では説明しにくいですが、僕のスキルが暴走した時の副産物だから他の人には真似できない可能性が高いです」
木材の加工したりしたときのかすが【神紙】になるとは説明しても不信がられるかなと思ったので詳細は濁す事にした。
「それは残念なのじゃ……それじゃあレイくんの言う【封印具】が完成したらワシの方でチェックするから、持ってきて欲しいのじゃ」
「分かりました、明日には一個持ってこれると思います」
「そうか、待っておるのじゃ」
その後、自分はペンザエモンさんに事情を説明したあと【封印具】を作るためにすぐに家に帰ることにした。
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