第309話 ブラットの助言
自分、ブラットは眠れなくなってしまったので、そのまま朝まで話でもしていく流れになっていた。
「コーデリアとシンシアがレイと出会った時からレイとは戦闘能力って面だけだとかなりの差があったのは今と変わらないんじゃないか? むしろ今より差があった気もするぜ。それはふたりの方が分かってるんじゃないか」
「ふたりは僕と同じパーティーなら足手まといになりたくないと思ってるんじゃないかな? ブラットやエレナは僕とタイプが違うけど、コーデリアとシンシアは僕と同じタイプだからね」
3人ともタイプで言えば後衛タイプだから活躍場面が少ないのも影響しているかなとも思う。
「ふたりが足手まといにならないようになれば解決するのか?」
「それだけじゃないかもしれないけど、ひとつの要因って感じかな」
もしかしたら他にも理由があるのかもしれないけど、自分には分からなかった。
「……それは今のままだと無理じゃないか?」
「それは分かっているんだけど……」
今より劇的な変化を実感出来たら良いなと思うんだけど。
「いや、違うぜ。レイは別として、俺やエレナとコーデリア達が強さで違うか分かってるのか?」
「ブラットやエレナとコーデリア、シンシアの違い? うーん、模擬戦の回数?」
「俺やエレナは小さいうちから親にいろいろ基礎を叩き込まれてるから、こんだけの強さになってるんだぜ? オヤジやエリーさんはレオンさんみたいに優しい鍛え方はしないから何度死にかけてるか分からないからな……」
「初耳なんだけど、そんなに厳しいの?」
エリーさんのトレーニングは厳しいってのはエレナから何度も聞いていたけど、ふたりが死にかけるほど鍛えられていたのか?
「エレナもだと思うが何度もソフィアさんの【回復魔法】で助かっているレベルで厳しい鍛え方だったぞ。多分、今の年でそこそこ強い奴は親か誰かに鍛えられる筈だ。その点、レイは戦い方から分かるけどレオンさん達からはあまり戦い方を教わってないだろ? それでレイの強さは異常だと思うけどな」
「そうだったんだ」
幼なじみなのにブラットから聞かされる内容はかなり衝撃的だった、ふたりが強いのはほとんど才能によるものかと思ったけど、毎日の様にトレーニングをしているブラットやたまに傷だらけだったエレナの姿を思い出すと、確かにそうかもしれないと思わせる記憶が沢山あった。
「ああ、だからコーデリアとシンシアに必要なのは優しい戦いじゃなくて死にかけるほどの戦いと、ふたりの能力に見合った指導をしてくれる人だと思うぜ。そう思わないかコーデリア?」
「えっ!?」
自分はびっくりして後ろを振り返ると近くにコーデリアが立っていた。
いつから話を聞いていたのだろうか?
「……確かにブラットの言う通り、今まで死にかけるような事はしないで生きてきました」
「俺は誰に教われば良いかとかは分からないけど、ふたりに優しすぎるレイに教わると劇的に変化するのは難しいんじゃないかと俺は思うぜ」
「そうですね、その話はシンシアにも伝えておきます」
「ああ、場合によってはレイの元から離れて修行するのも良いかもな。ちなみにテレーザは才能もあるが努力によって手に入れた強さだって分かるぜ」
「……」
テレーザさんも確かに師匠の元で修行したって言っていたな、そして自分も今ではペンザエモンさんから指導を受けているんだよな……
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