第306話 ブラットの剣技指導

 教師達から【マリア学園】でも身体能力を上げる授業を増やした方が良さそうという話を聞いていたニナさん含めた【マリア学園】の生徒達は絶望的な顔をしていた。


「【マリア学園】ではあまり身体を動かす授業は無いんですか?」


「無くはないんだけど、選択制の授業だから戦闘が得意な生徒と不得意な生徒でハッキリ別れてる感じかな、私達は【マリア学園】でも戦闘が得意な方だったからレイくん達レベルの1年生がいる【ハンタースクール】とはレベルが違うかな……」


 カノー先生やシチリス先生ですら、戦闘が得意な方なのか……。そう考えると【ハンタースクール】の教師達は冒険者を育成するだけあってレベルは高いのが分かる。


「ちなみに私達は戦闘が不得意な方です……」


 予想はしていたけど、ニナさん達は運動する苦手なのかな。


「そしたら俺が簡単に剣技とか教えようか?」


「えっ、本当ですか!?」


「あ、ああ、学校が終わった後ならだけどな……」


「私は是非教えて欲しいです!」


 ニナさんは食い気味でブラットから剣技を教わりたいみたいだけど、自分、しては気になることが……


「ブラットが人に教えてるの見たこと無いよ?」


「そうか? 俺は何人かに教えた事はあるぜ、まあ教えるって言っても基礎だけだけどな」


「レイ、ブラットの教え方は女子達の間では割と評判が良いみたいですよ。結構分かりやすいとか……でも【ハンタースクール】の基礎身体能力がある女子だからニナさん達が大丈夫かは分からないですが……」


「そうなの? 初めて聞いたよ……って僕には肉を食えだとか筋トレしろとかしか教えてくれなかったじゃん」


「レイの戦い方は独特過ぎるから俺がアドバイス出来る訳はないだろ」


「まあ、僕とブラットでは戦い方が違いすぎるか……」


 確かにブラットから剣技を習うよりはペンザエモンさんから剣術を習った方が自分にぴったりかな。


「それにレイとかエレナは俺が教えなくても勝手に強くなるしな」


「でもニナさん達は剣技で良いの? 教わるなら体術とか【身体強化】みたいなスキルを習った方が便利じゃない?」


 ニナさん達は今もそうだけど武器は杖しか持って来ていない事から分かる通り、普段から剣なんて持ち歩いてないのだから、身体能力だけ上がる方が役に立つんじゃないのかな?


「それもそうか、体術や【身体強化】ならセシリアさんの方が得意かもな……」


「いえ! 私達はブラットくんから剣技を習いたいです!」


「えっ……ニナ、私達も?」

「わ、私もやるの?」


「ふたりもやるよね?」


「ま、まあ仕方ないな……うん、一緒に習いたい」

「私も時間がある時だけ習おうかな?」


 ニナさんは何故か剣技を習いたいという話をふたりも巻き込みながら進めていった。


 そんなにニナさんは剣技を習いたかったのかな?


「そんなにニナさんは剣技に興味があったんだね、女子はわりと剣技とかに憧れてたりするのかな?」


 気になったので隣にいたコーデリアに小声で聞いてみたら、呆れた表情で返事が返ってきた。


「レイ、それは違いますよ……ちなみに私は剣技に興味が無いですからね?」


「う、うん、コーデリアには剣技を薦めないから大丈夫だよ」


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