第303話 新セシリアショップの告知

 自分達は大量にあるサンドイッチや唐揚げを楽しく食べていた。


 ニナさんの作るサンドイッチは流石はパン屋の娘といった感じの旨さだった。


「この焼きそばが入ったやつとかウマいな!」


「ありがとうございます! まだいろいろな種類があるので沢山食べて下さいね!」


「おう!」


 ブラットは相変わらず惣菜パンが好きだからニナさんはサンドイッチも惣菜パンっぽい感じに作ってきたのが多くてブラットには好評だった。


 焼きそばやトマトパスタ、ポテサラみたいなものが入ったタイプもあり、自分としても前世でサラリーマン時代に食べ馴染んだ種類が多くて懐かしかった。


「レイもブラットと同じ様なパンが好きなんですか?」


「そうだね、基本的にはこういう惣菜パンみたいなのは好きだね、他にもフルーツとクリームが入ったタイプとかも好きだけどね。コーデリアは?」


「私も好きですよ、でもセシリアショップのご飯などをよく食べていると……慣れって怖いなと思いますね」


「ああ、確かに……」


 セシリアショップにあるものは基本的に【素材の極み】が常に発動した様なものだから、普通の美味しいご飯が最高級品のご飯に変化してしまうチート料理だからな……


 あれのクオリティに慣れてしまうのが怖いなと思うのは良く分かる。


「それにしてもレイくんが持ってきた唐揚げはすごく美味しいよね? どこかで買ってきたの?」


 ハーミットさんは唐揚げが気に入ったみたいでサンドイッチなどはほとんど食べずに唐揚げばかり食べている気がするけど、大丈夫だろうか……


「これはセシリアが作ったものですよ。もし欲しい場合は2ヶ月後くらいにセシリアショップっていうカフェみたいなお店がオープンするんで、そちらで買ってもらえると助かります」


「レイは【スカウトフォート】でもセシリアショップをやるのか?」


「うん、その予定でお店も建設中だよ」


「そしたらまたみんなが集まりそうで楽しみだな」


「私とシンシアも絶対に行きます!」 


「まあ、ほどほどにね?」


 ブラットやコーデリアが頻繁に来るならマキリさんやカーラ先生と鉢合わせにならないように、裏搬入口でも用意しておいた方が良いかな?


「セシリアショップってあの幻のお菓子屋ですか?」


「幻のお菓子屋?」


 なんでセシリアショップが幻になっているんだ?


「仕事を長期で休めるなら【チェスガン】にあるセシリアショップに行きたいって数年前は話題になっていたけど、襲撃事件からは話題にならなくなったのよ。だから幻のお菓子屋なんだけど、セシリアさんが経営していたの?」


「ああ、なるほど……【チェスガン】にあったセシリアショップと同じお店ですよ」


「それは今日一番の衝撃ニュースね……あっ、もしかしてかなり高いお店なのかしら?」


「いえ、値段は普通のお菓子屋と同じ位にする予定ですよ」


「そしたら是非オープンしたら行くわ」


「カノー先生、そんなに美味しいお店なんですか?」


「私も食べたことは無いけれど、食べたことのある同僚は仕事が無ければ【チェスガン】に永住したいって言うくらいショートケーキやシュークリームが美味しかったらしいわよ」


「そんなに? うちのパン屋に通ってくれてるお客さんは大丈夫かな?」


 ニナさんはカノー先生などの話を聞いて、経営が大丈夫か不安になってきたみたいだ。


 もし知り合いのお客さんを奪う事になったら申し訳ないな……


「俺はニナのパン屋にも行くぜ!」


「あ、ありがとう、ブラットくん!」


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