第301話 ピクニック ランチ
自分とセシリアが簡易ログハウスを完成させた後、ランチの準備をしていたらブラット達の川釣りチームと森の探索チームが似たようなタイミングで帰ってきた。
「えっ!? 何で小屋が急に現れてるの!?」
帰ってきたニナさん達は自分の目を疑うかのようにびっくりしていた。
「僕とセシリアが簡易だけどログハウスを作ったんだよ。中は机と椅子位しかないけどね。」
「いやいや! ほんの1時間位で小屋を作ったの? 材料は? そもそも材料があっても子供と女性のふたりだけで小屋なんて作れるの?」
まあ、普通の人には1時間でログハウスを作るのは難しいから、ハーミットさんがびっくりするのは仕方ないだろう。
「僕とセシリアはこういう家とかを作り慣れてるからね。 材料になる木も周辺を探したら大量にあったし。」
簡易ログハウスは設計と材料、丸太を組み上げるパワーさえあればデカい模型みたいな感じだから割とすぐ出来てしまうのだ。
これが長期間住む家ならば地盤を調べて土台をしっかり造ったり、内装にこだわったりすると時間はかかったりはするのだが、簡易ログハウスにはそんなこだわりは必要無いから早いのだ。
「え、慣れてるとかそんな話では無いような……。」
「まあ、レイがテントを組み立てたこと無いのに任せて欲しいって言ったときからこうなるんじゃないかなとは思ったけど、割と自重した小屋だったな。」
「そうですね。 レイなら広大な土地があるからって豪邸でも造りそうな感じですけどね。」
「いや、僕もそんな事しないよ。どうせ明日には壊しちゃうんだから、無駄にデカいのを造ったらもったいないよ。」
「確かに木がもったいないか……」
「レイくん達の感覚だと、これでも控えめなんだね……。 コーデリアさんも凄かったけど、レイくんは言ってた通りで更に凄いね。」
コーデリアも何か凄いことしたのかな?
コーデリアの周りで【守護聖獣】が楽しそうに飛んでいるから、きっとそれがらみなのかもしれない。
「そう言えば森で魔獣の死体が山積みになっていたから警戒しながら探索していたが、結局は山積みの死体以外は魔獣を一切見かけなかったな。」
「あっ、それなら川付近にも魔獣の死体が山積みになってましたね。」
「キャンプ場には警備してる人は居ないんですよね?」
「そうね。 定期的に雇われた冒険者が見回りには来るみたいだけど、最近は来ていないはずなのよね。 それに倒されてから数時間も経ってない感じだったわ。」
「こっちも似たような感じね。 あと小動物に首元を一撃で狩られてるみたいな感じだったわ。」
「小動物?」
何だろう、いやな予感しかしないぞ……
「でも魔獣を狩れる程、強い小動物は聞いたこと無いわ。 仮に小動物が魔獣化していても魔犬などには勝てない筈だから原因はほとんど分からないわ。」
魔犬よりも強い小動物……それってアビスハートがやった可能性が激しく高いな。
実際には魔犬に勝てる強さがあるかは分からないけど……そう言えば、偵察用に放っていたアビスハート達の回収を忘れていたけど、どうなってるのかな?
アビスハートと会話は出来ないが、意識を多少は共有することが出来るのでリンクしてみる。
「やっぱりよく分からないけど、原因ではあるのかな? セシリア、アビスハートの回収をお願い。」
意識共有しても魔獣を山積みにした理由は分からないが、アビスハート達は自分の為に頑張っているのだけは伝わってきた。
「分かりました、マスター。」
セシリアはすぐにアビスハートの回収に向かってくれた。
「あれ? セシリアさんは一緒にお昼を食べないの?」
「すぐに戻ってくるから大丈夫ですよ、それにセシリアはあとで食べますから気にしないで下さい」
そう言えばアビスハート達にも何か餌をあげるかな?
アビスハートの世話はセシリアに任せっきりだけど、アビスハートって何食べてるんだろう?
まあ、あとでセシリアに聞けば良いか
「じゃあ、ランチを食べ始めちゃいましょう」
こうして自分達は遅めのランチをするのだった。
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