第296話 ピクニック ②
今日は【マリア学園】のニナさん達と共にキャンプ場を目指して進んでいた。
【スカウトフォート】からキャンプ場までは歩いて2時間程の近場で、道も整備されているのだが少なからず弱めの魔獣は出現していた。
本来なら【マリア学園】の教師達で魔獣を退治するところだが、ブラットは暇つぶしに魔犬程度なら討伐させて欲しいとお願いしたことで、自分とブラットで魔獣討伐しながら進んでいた。
魔獣討伐はすぐに倒せたので順調に進んでいたのだが……
「ブラット、【スカウトフォート】の周辺の魔獣が普段どれくらいいるのか知らないけど、多くない?」
まだ【スカウトフォート】を出発してからまだ30分程なのに、すでに魔犬を8匹も倒していた。
「多いか? ダンジョンに比べたら少ないだろ。」
「いや、街周辺の魔獣出現率がダンジョン位あったら、その街は滅んでるよ。」
脳筋のブラットに聞いたのが間違えだった。
そこで空気のようについて来てくれていた、教師のシチリスさんが答えてくれる。
「確かにこの魔獣の数はおかしいかもしれませんね。 ですが、その魔獣を瞬殺しているレイくんとブラットくんも異常な強さですね。」
「シチリスより強いかもね。」
「私は【回復魔法師】なので弱くても良いんです! 戦いはカノーが担当ですからね。」
「そんなんだから私達は【聖教会】見習いなんだよ。」
「うぐぅ、そんな事を生徒の前で言わないでください!」
「シチリスさんとカノーさんは【聖教会】見習いなんですか?」
だから【聖教会】の人みたいに黒いスーツを着ているのだろうか?
「そうです。 【聖教会】で働く人にもいろいろな部門はありますが、私達のなりたいものは治安維持を目的とした場所なので、今回の様な生徒の護衛や街の警備などを何回も成功させたりする事で採用してもらえるのです。」
「あっ、ちなみに見習いだけど、護衛で失敗したことはないから安心してね。」
「治安維持の人達が足りないのは採用基準が厳しいからなのかな?」
「あれ、レイくんは【聖教会】の治安維持が人手不足だって知ってるんだ? もしかして【聖教会】に入りたい人?」
「いえ、たまたま知っていただけですよ。 それに僕は冒険者になりたいんで。」
「【ハンタースクール】の生徒だから仕方ないかぁ。 もし【聖教会】に興味があれば教会に遊びに来ると良いわ。」
「その時はよろしくお願いします。」
たぶん、自分は【聖教会】に入るならペンザエモンさんのいる【魔眼協会】に所属したいと考えているけど、そうなるとコーデリアやシンシアと一緒に活動出来なくなるからそれも今のところは無さそうだと思う。
「それはそうと、魔獣の数が多いので私とシチリスだけなら引き返す場面なんですが……レイくんとブラットくんの強さをみた後だと悩みますね。」
「そうですね。キャンプ場にさえ到着すれば魔犬レベルなら入って来れない様に作られていますし、少しスピードアップして向かいましょうか。」
「分かりました。」
自分とブラットだけでもこの周辺の魔獣なら対処可能だから反対する気は無いけど、魔獣が多いのは気になるな……
自分はこっそりと最近【ティム】した【アビスハート】達を周りに放ち索敵外の調査をしてもらうことにした。
【アビスハート】は魔獣と似た性質なのか、魔獣達から攻撃されないという特徴があるみたいで、危険な場所で活躍しそうだなと思っていた。
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