第295話 ピクニック
学校が休みの日に、自分達は【スカウトフォート】付近のキャンプ場にピクニック気分で行くことになっていた。
まあ、本来の目的はパン屋のニナさんがブラットを誘いたかったが、ニナさんのお父さんがうるさいので友達同士のピクニックという感じになっていた。
ピクニックに行くメンバーは、自分とブラット、コーデリア、セシリア、ニナさん、ニナさんの友達になる。
シンシアも誘ったのだが、授業の実技で成績があまり良くなかったので、補習を受けなくてはいけなくなり不参加になった。
シンシアはもの凄い行きたがっていたが、補習はサボるわけにはいかないので仕方ない。
代わりに自分とコーデリアとシンシアでどこかへ遊びに行こうって話で落ち着いた。
最近はコーデリアとシンシアが自分と実力差が開いてるのではないかとか、足を引っ張っているとか思っていて悩んでいる感じだったから、たまには気分転換になればなと休みの日はどこかへ誘ったりしようと考えていた。
個人的には2人がパーティーにいて助かっているから、このペースで成長してくれたら良いと思うのだけどな。
「コーデリア、今回のピクニックはニナさんとブラットが2人になれる時間を増やすサポートをするのが僕達の任務だと思っていて欲しい。」
「分かりました。 出来ればピクニック前にニナさん達と打ち合わせが出来たら良かったのですが、急な感じなので仕方ないですね。」
「うん。 ニナさんの学校は子供だけでキャンプ場に行くのは危ないから、教師が2人は同行しないとダメだという校則があるみたいで、教師の予定が明日しか空いてないみたいだから仕方ないよ。」
「私達の学校にはそんな校則ありませんでしたけどね。」
「そうだね。 まあ、僕達は冒険者を育てる学校だからだろうね。」
本当はカーラ先生にも相談したら誰か護衛に付けると言われたんだけど、同行ではなく陰ながらの護衛らしいから他のみんなには言わなくても良いだろうと思った。
隠れて護衛されてると思うと気になって楽しめないのでは?と思ったからだ。
☆
ピクニック当日、【ハンタースクール】の校門前でニナさんの教師や友達と合流していた。
個人的には【スカウトフォート】の街門前くらいでの待ち合わせで良いかなと思っていたんだけど、カーラ先生が何故か相手の先生に挨拶をしておくという話になったからだ。
「今日、同行する事になっている【マリア学園】のシチリスとカノーです。」
カノーさんは髪の長い金髪の女性で【聖教会】の黒いスーツに似た服を着ていた。
黒いスーツを着ていなければ身長が低いので下手したら自分達と同年代じゃないかと間違えてしまうんじゃないかと思えてしまう位のロリ教師だった。
もう1人のシチリスさんはカノーさんとは正反対の長身の女性で、髪は赤のショートをしていて寡黙な感じの人だ。
「今日はよろしくお願いします。 僕はレイで、こちらからブラット、コーデリア、セシリアです。」
「【ハンタースクール】のカーラだ。今日はこいつらを頼むな」
「分かりました、今日はしっかりとお守りします」
「あら、子供だけと伺っていましたが、メイドの女性も同行されるのですか?」
「ああ、一応はレイの護衛役ではあるが、セシリアは【ハンタースクール】の生徒でレイ達の同級生になる。」
「えっ、同級生?」
まあ、セシリアは見た目が完全に大人の女性だから、子供と言われたらびっくりするかもしれないが、自分からしたらブラットも子供には見えないからセシリアを同級生と言い張ればセーフな気がする。
「シチリス、余計な詮索はしてはいけない。」
「そうでしたね。 あとはうちの生徒が……」
「私はハーミット! よろしくね!」
「私はミューラです。 今日はよろしくお願いします……」
ニナさんが連れてきた友達は2人で、元気な感じのハーミットさんと可愛らしい感じのミューラさんだった。
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