第294話 魔眼協会 ③
ペンザエモンさんはあっさりと怪しい薬をばら撒いているヤツら、5人を捕縛していた。
5人は学生服を着ていたが、雰囲気が学生とは思えないものがあり、多分だけど強さはブラットよりは少し弱い程度ではないだろうか?
もし5人が学生だとしたらかなりの実力者になる。
「俺達は頼まれて薬の仲介をしていただけだから【聖教会】には内緒にしてくれ!」
「【聖教会】にバレたら俺達の人生が終わっちまう!」
学生服を着た5人はペンザエモンさんへ必死な訴えをしているが……
「我が輩は犯罪者を見逃す気は無いでござる。お主達の服からは怪しい薬も出てきたから確実に強制労働行きでござる。」
強制労働とは【聖教会】に捕まった犯罪者は【聖教会】の監視下で数十年間、過酷な労働をさせられる罰である。
死にはしないらしいが、死にたくなるほどの過酷さらしい。
その後、ペンザエモンさんと自分は【聖教会】の神殿前に犯罪者達を置いてから帰ってきていた。
しかし、【魔眼協会】と【聖教会】は敵対はしていないが仲が良いわけではないので、貼り紙だけ犯罪者達に貼り付けて放置していた。
「やっぱりペンザエモンさんは強いですね。あの犯罪者達も学生の中ではダントツに強い部類だろう感じでしたよ。」
「まあ、我が輩はこれでも強さには自信があるでござるよ。」
「ペンザエモンさんみたいな強さがあれば、冒険者としても成功出来そうだなぁ。」
セシリアやコーデリア、シンシアと自由気ままに世界を冒険出来たら楽しいだろうなと思う。
あとはセシリア強化の意味でも【巨大結晶】を探索するのもやらないとな。
そして、世界を旅するにはそれなりの強さが必要だと学校の授業でやっていた。
お金を稼ぐ手段は【セシリアショップ】で問題なく生活出来るだろうが、【チェスガン】や【モロット】みたいに街の外が比較的平和な場所なら良いが、街の外にいる魔獣や魔竜のレベルがかなり高い場所です少なくないらしいから、世界を旅するのも楽ではないのだ。
「レイ殿は冒険者の学校に行っているでござるから、やはり将来は冒険者になりたいでござるか?」
「はい。世界を自由に旅したいと思ってるんです。」
「そうでござるか、我が輩としてはこの街に残ってもらえたら嬉しいでござるが、そしたら学校を卒業するまでに【白銀二刀流】を出来るだけ教えないといけないでござるな。」
「ありがとうございます。今、旅したい場所は【帝国】と【魔大陸】なんですよね。」
「レイ殿、出来れば【帝国】には行かないほうが良いでござるよ。【魔大陸】なら我が輩の出身大陸なので便宜ははかれるでござる。」
「えっ、何で【帝国】は良くないんですか?」
【帝国】は日本の転生者が創った国っぽくて、ラノベとよくある東の国みたいな位置付けの場所だから是非とも行ってみたいんだけどな。
「あそこは猛者の巣窟な上に、【魔眼協会】と【聖教会】が険悪でござるから、レイ殿みたいな希少な【魔眼使い】が行くと危ないでござるよ。仲間にならないと力付くで勧誘したり、いろいろ悪い噂も多いでござる。」
「うわぁ、【魔眼協会】って街によってかなり違うんですか?」
そんな話を聞いたら【帝国】へは行きたくなくなるな……
「【魔眼協会】は【聖教会】みたいな完成された組織ではなく、あくまで協会でござるからな、その国にある【魔眼協会】トップの考え方によってかなり変わるでござるよ。ここが穏健派なら【帝国】は過激派でござる。」
「なるほど。それで【魔眼協会】って言うのか。」
「けど、どの協会も【魔眼使い】を助ける事などを目的にしていたり、【魔眼協会】トップの為に動くというのは一緒でござる。 レイ殿が旅に出るなら、我が輩の希望としては【魔喰】などを使いこなせる様になったら【魔眼使い】達を助けてあげて欲しいでござる。」
「分かりました、僕に出来る範囲で良ければ【魔眼使い】達の助けをしたいと思います」
「ありがたいでござる」
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