第290話 悩み ②
自分はコーデリア、シンシアと学校内にある公園みたいな場所に来ていた。
「レイ、私とシンシアでいろいろ考えたのですが、ダンジョン攻略を2人だけでやってみたいんです。現状だと私達の為にレイの貴重な時間を使わせてしまっている状態ですし、2人だけで強くなるために頑張ってみたいんです。そして、レイと一緒に戦える位になりたいんです。」
「私も、コーデリアと、一緒で、レイに勝てる、部分が、欲しい。」
「なるほど……。」
先日のダンジョン攻略とかでも2人はいろいろ頑張っていたんだけど、結局は2人苦戦した敵を自分がアッサリ倒してしまったのが影響しているのかもしれないな。
2人の悩みを完全に理解できているかは分からないが、足を引っ張りたくないという気持ちや同じ位のレベルに達したいというのは理解出来る。
それは自分やブラットが幼少期からエレナに抱いている感覚だからな。
特に10歳を過ぎた頃からのエレナは別次元の強さになっているのが分かる。
そして、似たような感覚をコーデリアとシンシアは自分に抱いてるのかもしれない。
自分とセシリアは万能タイプだと思うので、ダンジョン攻略などではかなり有利だというのは理解していると共にコーデリアとシンシアは尖った能力を持つタイプだから1人ではダンジョン攻略は難しいが、パーティーを組めば力を発揮出来る。
だから、ダンジョン攻略中盤以降には必ず尖った能力のパーティーメンバーは必要だと自分で思うが、2人には現状が役立たずに感じられているのだろう。
「勝手なお願いなんですが……。」
「分かったよ、ダンジョン攻略を2人で挑戦してみる事に関しては構わないよ。」
「ありがとうございます!」
「ありがとう。」
「ただし勘違いしないで欲しいけど、僕は2人を力不足だとは思ってないからね。」
「それでも私達はもっとレイの役に立てる強さが欲しいんです。」
「私達、頑張る。それで、レイの、話は?」
「ああ、僕の話はね……この間の黒い鎧を装備した辺りから僕のスキルにも変化があってね、その影響でダンジョン攻略時の【転移装置】が使えなくなったからさ、ふたりと一緒にダンジョン攻略するときにどうしようかなって事だったんだけど、この問題は今一時的ではあるけど解決したから大丈夫だよ。」
【魔喰】の影響で【認証の指輪】が無効化されて、ダンジョン攻略に使われている支援を使えなくなったんだよな……。
そのせいで、ダンジョンの機能を転用している闘技場で死んでも大丈夫というのも無効化されている疑いがあった。まあ、その件はふたりに伝えると心配されてしまうから言わないけど。
「それって大丈夫なんですか?」
「うん、ダンジョン攻略に関してはもう卒業出来るレベルの階層まで攻略してるから大丈夫だよ。」
「いえ、そうではなくて黒い鎧がスキルに影響するって方です。」
「ああ、それも大丈夫だよ。スキルに変化があったのは黒い鎧が原因ではなくて……」
なんて説明すれば良いんだ?
【魔眼協会】の件はまだ話せないし、【魔喰】の件も話してはいけないからまだふたりには説明が出来ないぞ。
「スキル、進化した?」
「まあ、そんな感じかな。上手く説明出来ないんだけどね。」
「スキルが進化するのは極稀だと先生が言ってました。やっぱりレイは凄いですね。」
「あはは、ありがとう?」
自分達はダンジョン攻略などを一緒にやらなくなったが、パーティーを解散する事はしないことにした。
学校でのパーティーは、ほとんどがダンジョン攻略の為にあるから解散しても問題はなさそうだが、それは2人に反対された。
「そういえば、パーティーの解散とかで何か忘れてる事があった気がするんだよな……。」
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