第282話 カーラ先生の自宅へ
ダンジョン攻略が終わった自分とセシリアはカーラ先生に連れられて、カーラ先生の自宅に向かっていた。
「カーラ先生の自宅って学校から近いんですか?」
「いや、ちょっと訳あって学校からは少し離れている。とは言っても大した距離ではないさ。」
カーラ先生に付いていくと、あまり立ち入ったことの無いエリアに来ていた。
「ああ、カーラ先生は王女様だからこっちで住んでるのか……」
こっちのエリアは主に貴族やお金持ち達が住む場所で、一般人は許可書が無いとエリアにすら入れないくらい厳重なところだった。
カーラ先生は見た目がビキニアーマーだから忘れがちだけど、本来は王女様だからもっと品のある服や言葉を使うはずの人なんだよな……
「まあ、そういう事だ。私はボロ小屋みたいなところで自由気ままに生きたいから冒険者になったんだけどな、周りがそれを許してくれないのさ。」
「まあ、普通に考えて王女様がボロ小屋に住むのは無理がありますからね。」
「冒険者になる許可はおりたが、しかし生き方が自由にならないのでは冒険者とは言えないだろ?」
「言いたい事は分かりますよ、僕も自由に生きたいから冒険者になりたいんですし」
「レイなら冒険者にならなくても自由にはなれると思うが……そう言えばレイはテレーザと知り合いだったんだな。たまたま話の流れで【モロット】出身の3人組が凄いって話したらテレーザがレイ達の名前を知っていてびっくりしたぞ」
「またテレーザさんか……」
エレナにも言われたけど、テレーザさんって誰だ?
「レイ、ちょっと待て……テレーザを忘れているのか?」
「名前は聞いたことはある気がするんですけど、思い出せないんですよね」
「テレーザはレイに会えるのを楽しみにしていたぞ? 3歳の時に【モロット】で会ってるって、いや、3歳なら覚えてなくても仕方ないか……」
「3歳? それなら確実に覚えている筈なんだけど……あれ?」
そう言えば自分が3歳の時にお父さんが護衛をしていた貴族の子供の2人が【モロット】に来て、うちに数日間泊まった様な出来事がなかったか?
ってか、自分と同じ3歳だったテレーザさんがよく覚えているのに……
あれ?
エレナもテレーザさんの事を覚えていたな……
もしかして忘れているのは自分だけか?
「微かにですけど、【モロット】に来た貴族が居たのは思い出しました」
「そ、そうか。思い出して良かったな。」
「それで、何でテレーザさんの話になったんですか?」
「それはそのうち分かるさ。」
「?」
しばらく高級住宅地エリアを歩いていると、周辺の中で一番デカいんじゃないかという家があった。
いや、家という表現より屋敷と言った方がぴったりな大きさだった。
「着いたぞ。」
「まさか、カーラ先生はこんな大きな屋敷で1人暮らしですか?」
「そんな訳ないだろう。私の世話をするやつらがいっぱい居るからこんな大きさになってるんだ。」
「リアルお姫様か……」
ビキニアーマーを普段から着ている露出狂のカーラ先生と王女様というものが理解はしていても、どうしてもイメージが結びつかないんだよな。
「馬鹿にしてるのか?」
「いえ……カーラ先生も普通の服を着れば王女様みたいなのになと思いまして。」
「やっぱり馬鹿にしてるじゃないか……、まあいい。入るぞ。」
屋敷の敷地には何人もの完全武装した騎士?が待機していた。
これは確かに学生寮とは比べものにならないレベルで安全だな。
多少は家の周辺を巡回する人はいるのかと予想はしていたが、警備レベルはそんなレベルでは無かった。
屋敷内に入ると複数のリアルメイドとリアル執事のマギリさんがお出迎えしてくれた。
そしてメイド達はてきぱきとカーラ先生の武器を回収したと思ったら、先生も奥の部屋に連れてかれてしまった。
「レイさん、お久しぶりです。」
「マギリさん今日からよろしくお願いします。」
「はい。レイさんは我々がしっかりと警護させてもらいます。」
久しぶりにあったマギリさんと少し話していると、普通の女性服を着てきたカーラ先生が戻ってきた。
「先生、普段着を着ているなんてレアですね。」
「これも大分慣れはしたが、学校ほど気は休まらないからやめて欲しいんだがな。」
「僕としては大人の女性っぽいので良いと思いますよ。」
「生徒にそう言われると恥ずかしいな……。」
いや、ほとんどの人がそう思っていても、怖くて言えないだけじゃないだろうか?
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