第280話 ダンジョン攻略 19層
今日はダンジョンの19層を攻略していた。
いつもの攻略みたいに自分は【魔導球】を大量にばら撒き、19層の広範囲を探索をして最短のルートを進んでいると、次第にコーデリアとシンシアが役に立っていないんじゃないかと落ち込み始めていた。
ふたりが落ち込んでいたので役に立っていると話しても、【魔導球】の万能性や【オルタナティブアーマー】の強さ、いろいろな便利な【魔導具】を知っている2人は、自分が全力を出していないのは私達に気を使っているからと感じているみたいだった。
そして極めつけはセシリアの強さだろうか……
基本的にセシリアは自分の護衛役だからダンジョン攻略では付いてくるだけにしているが、セシリアは【治癒】でコーデリアと同等に出来たり、攻撃力はシンシア以上だったりするのを理解しているのだ。
【守護聖獣】で2人は強くなったけど、守られているという思いが更に強くなったのかもしれないと話してみて感じられた。
うーん、どうしたら良いのかな?
自分としたらチームだからお互いをサポートし合えれば気にしなくても良いとは思うけど……
「レイ、19層のボスは私とシンシアだけで攻略して良いですか?」
「私達、頑張る。」
「分かった、でも危なそうな時は助けに入るよ?」
「ありがとうございます!」
これで2人が自信を付けてくれたら良いんだけど、一応19層のボス攻略推奨人数は3人以上と聞いたけど、2人だけで大丈夫かな?
☆
【コーデリア視点。】
今日のダンジョン攻略ではレイに良いところを見せたいと考えていた。
最近のレイはもちろん、エレナやブラットもどんどんと強くなっている気がして、私とシンシアは足手まといになっているのを感じていた。
レイは私達も強くなってると言うけれど、私もシンシアも守られるんじゃなくてレイがピンチな時に助けられる強さが欲しかった。
「シンシア、19層は2人だけで絶対に攻略しましょう」
「了解。レイに、私達の、凄さを、見せる」
19層攻略は本来1年生の後半か2年生が攻略出来るレベルの難易度だけど、エレナへブラットのコンビパーティーは少し前に25層を突破したと話題になっていた。
きっとレイとセシリアさんのコンビでも同じレベルの攻略スピードを出せるんじゃないかと思っているので、19層位は私達だけで攻略したかった。
19層のボスはリザードマンという二足歩行するトカゲが2体だった……。
本当は爬虫類などが苦手だけど、私達は我慢して闘うことにした。
「シンシア、私が時間を稼ぎますから大技をお願いします!」
「分かった、頑張る。」
私は【水膜】で自身を保護しながら、【水弾】を連続で撃ちながら足止めをしようとしたけれど……
「コーデリア、動き、止まって、ない……」
「私の【水弾】とリザードマンは相性が悪いみたいです!」
リザードマンは私の【水弾】で多少は突進スピードが落ちはしたけど、ダメージを受けている感じはなく、着実に私へ向かって来ていた。
「私の、【炎壁】で……防ぐ!」
シンシアは攻撃【魔法】の準備をキャンセルして【炎壁】を使い、私を守ってくれた。
リザードマンに対してシンシアの【炎壁】は有効みたいで、突進が止まったのは良かったけど、しばらくしたらすぐリザードマンに接近されてしまった。
基本的に私もシンシアも近接戦闘は一切出来ないので、リザードマンの攻撃を【炎壁】や【水膜】で受け止めるしか出来なかったので時間稼ぎにしかならなかった。
しばらくすると私の【水膜】もリザードマンの攻撃により耐久性が無くなり、リザードマンの攻撃を防げないと思った瞬間、2体のリザードマンは細切れにされていた。
「そこまでかな。」
レイの声を聞いて、私達では無理だと判断されて助けてくれたのが直ぐに分かった。
そして、リザードマンを一緒で細切れにした方法は【魔導球】を使って何かをしたみたいだけど、あっさり倒しすぎたからなにをしたのか分からなかった。
やっぱり私達はレイの足を引っ張っているのを痛感したのだった……
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