第275話 副職種

 自分は【オルタナティブアーマー】などの性能テストを試し終わったので、鎧を脱いでいた。


「レイの黒い鎧は特殊過ぎるんだが、どこで手に入れたんだ? 明らかに店で売っているものではないだろう?」


「えっと、秘密じゃダメですか?」


「……仮に呪いの装備だったら、販売元や制作者は【聖教会】に連行される可能性があるから気を付けるんだぞ?」


「マジですか……。 いや、でも呪いの装備では無いし。」


 この【オルタナティブアーマー】が仮に呪いの装備なら、同級生とかに渡した【封印具】なども呪いの装備になっちゃいそうだな……


 だけど、この歳で【聖教会】に目を付けられるのは嫌だな……。


「私やエターナルは密告などしないが、どういう原理かは分からないが【認証の指輪】を経由して呪いの装備を所持してるのがバレるかもしれないからな。」


「そう言えば、呪いの装備って基準はあるんですか?」


 ちょっとアウトなラインを知りたいな。


「詳しくは分からないが、精神を崩壊や改変するものなどが呪い認定されやすいな。 この前の覚醒薬みたいなのは呪いのアイテム認定されていたから、あんなのはダメだな。」


「なるほど。 ならこの鎧は安心ですね。」


 【オルタナティブアーマー】はちょっとした羞恥心による精神ダメージは受けるが、ただの黒歴史なだけだ。


「もし、その鎧のテストをするなら学校の闘技場を極力使え、性能の不明な武具はどんか事故が起きるかわからないからな。」


「分かりました。」






「ニャルルさん、放課後にちょっと頼みがあるだけど時間はあるかな?」


 自分は【副職種】の事も調べたかったので、ニャルルさんから【獣使い】の【職種】をコピーするための実験に付き合って欲しかった。


 本当はブラットやエレナ、パーティーメンバーのコーデリアやシンシアに頼むのが良いのかもしれないが、【職種】コピーは難易度が影響するみたいだから、ニャルルさんには悪いがブラット達のチート気味な人から教わるよりは楽な気がしたのだ。


「わ、私にゃ? 今日の放課後はパーティーでダンジョン攻略する予定にゃ……。」


「そっかぁ、なら別の日に……」


「ニャルル、今日のダンジョン攻略は中止でも良いわよ。 レイくんには大分助けて貰ってるしね。」


 自分とニャルルさんの話を聞いて、パーティーメンバーであるオルミルクさんとリュミエルさんが今日のダンジョン攻略は中止にしても大丈夫だとは言ってくれているが、ちょっと申し訳ないな。


「あ、あの。 もし良かったらレイくんの用事に私達も同行して良いですか? それならダンジョン攻略をするより何かの役に立つかも……」


「それは僕としたらむしろありがたいけど、良いの?」


 【職種】コピーの検証をするなら3人からの方が助かる。

 

「私達はそれでいいよ。」


「ただ、私達で良いの? コーデリアさんとシンシアさんがもの凄くこっちを見てるんですが……」


「にゃ……。 後で恨まれそうにゃ。」


「だ、大丈夫じゃないかな? 一応、2人も誘っておくかな。」


 確かに教室内で話していたから、会話はほとんど聞こえているから変な誤解は無いだろうと思っていたけど、コーデリアとシンシアの視線が獲物を刈るような感じだった……


「それが良いと思うわ。」


 エレナと行動しても2人は気にしない雰囲気なのに、他のクラスメートの女子と行動すると怒るの理由がよく分からなかった。



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