第270話 魔喰の落とし穴

 【ジョブホッパー】スキルがかなりチートじゃないのかと浮かれていたら、ペンザエモンさんとフレイザードさんが部屋に入ってきた。


「レイくん、本当に申し訳ないのじゃ。 まさか腕輪状態の【魔喰】を取り込んでしまうのは想定外だったのじゃ。」


「まあ、僕的には今のところ不都合は無いので大丈夫ですよ。」


 逆に【ジョブホッパー】がチート進化しているから感謝したい位だと思う。


「いやしかし、髪色が変化しているのじゃ……。 気づいておるか?」


「それも気にしなくて良いですよ。」


 黒髪に違和感が無いしな。


「レイくんは寛大すぎてちょっと怖いんじゃが……。」


「まあ、今後で何か不都合があれば相談するって事でどうですか?」


「それはもちろんサポートはするのじゃ。 何か違和感があればすぐに相談するんじゃぞ? 現状で違和感を感じないと言うことは、【魔喰】が完全適合している証拠じゃが、【魔眼結晶】を食べていないのに吸収された例は聞いたことが無いから、今後どうなるか分からないのじゃ。」


「分かりました。 相談させてもらいますね。」


 自分としては【魔眼】とかの知識が凄いフレイザードさんとかに相談出来るだけでもありがたい。


「ペンザエモン、一応レイくんの【魔力】が安定しているかを見るのじゃ。」


「もう見ていますが、完全に安定しているでござるな。 しかし、疑問点が1つあるのでござるが……」


「どうしたのじゃ?」


「レイ殿は【魔眼結晶・魔喰】を吸収したのに片眼しか【魔眼】が出ていないでござる。 本来なら【魔喰】の【魔眼】がもう片方の眼に反映される筈でござる。」


「そう言われたらそうじゃな……。 レイくん、ステータスでは【魔眼】が2つになってないか調べてみるのじゃ、【魔喰の魔眼】と元々持っている【魔眼】じゃ。」


「えっ? 【魔喰】は固有スキル欄に追加されてますよ。」


「固有スキル? 【魔眼】は基本的に【パッシブ】か【アクティブ】スキルに表示される筈じゃ。 だから【パッシブ】の【魔眼】制御は難しいのじゃ。 逆に【アクティブ】の【魔眼】は隠していれば制御不能でも使わなければ大丈夫なのじゃ。」


「初耳なんですけど……。」


 あまり他人を【鑑定】しない上に、【魔眼】持ちのを【鑑定】しないからみんな【固有スキル】だとばかり勘違いしていたけど、ちがうのか……。


「じゃあ、【魔喰の魔眼】はどこへ行ったでござる?」


「分からんのじゃ……。 【魔眼】が眼以外にいくパターンは聞いたこと無いのじゃ。」


「ちょっと不安になってきたんですけど、大丈夫ですかね?」


 今までに無いパターンばかりでちょっと怖くなってきたんだけど……。


「レイくんが嫌じゃなければすぐに精密検査するのじゃ。」


「それってどれくらいかかります? ってかどれくらい寝ていたのかな?」


「マスターが寝ていたのは30分程度です。 まだ2時間位は時間に余裕があります。」


「精密検査は1時間もあれば出来るのじゃ。」


「じゃあ、精密検査をお願いします。」


「分かったのじゃ。」




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