第266話 魔眼協会
自分とセシリアは【魔眼協会】支部と言われて来てみたら雑貨屋だったのだがペンザエモンさんを呼んで来てもらうために10分位待っていた……
「レイ殿、お待たせして悪かったでござるな。」
「いえ、こちらこそ急に来たので大丈夫です。」
奥からペンザエモンさんと先程のフードを被った店員さんともう1人、自分と同じ位の歳の仮面を付けた女の子が出てきた。
少女の方はフードを被っておらず、長い金髪に仮面を付け、黒いドレスを着ているという怪しい格好だった。
「レイ殿、こちらがここの支部長であるフレイザード様でござる。」
そして、仮面を付けた少女が支部長だとペンザエモンさんから紹介されたのだが……
「君がレイくんじゃな、ペンザエモンからちょうど報告を受けていてな……ってどうしたのじゃ?」
「えっと、支部長?」
「むっ、もしかしてレイくんはエルフ族に会うのは初めてかな? これでも私は100年以上は生きているのじゃぞ。」
「ああ、すいません。 知り合いにもエルフ族は居ますが見分けはつかないので自分と同い年かなと思ってました。」
「まあ、その反応も慣れているから気にしないのじゃ。 さて、私とペンザエモンは支部に行くのじゃ。」
「畏まりました、フレイザード様。」
奥の部屋に入ると、怪しげな機械がたくさんある部屋があるだけだった。
「レイくんとセシリアさんはそこの円内に入って欲しいのじゃ。」
フレイザードさんが指定した円内というのは、床に書いてある魔法陣みたいな円の事だろうか?
「レイ殿が不安になるのも分かるでござるが我が輩も一緒なので安心するでござる。」
「私は後で行くから案内を頼むのじゃ。 ペンザエモン。」
「分かったでござる。 では先に行くでござる。」
「えっ、先に行くってどこへ?」
ペンザエモンさんにどこへ?と質問したら床の魔法陣が赤く光り出した。
えっ、なにこれ。
怪しすぎて怖いんだけど……
そう思った、次の瞬間には違う景色が広がっていた。
☆
自分達は現在、地下空洞を進んでいた。
地下空洞、言っても洞窟感は無くて壁や天井等はコンクリートみたいなもので固められているので、ビルの地下通路を歩いている感覚だった。
何故、自分達が地下空洞に歩いているかと言うと、あの怪しげな赤い魔法陣は【転送陣】と呼ばれるロストテクノロジーらしい。
ロストテクノロジーと言われるとSF感が強いが、一般的には伝説の【魔導具】とか呼ばれているみたいだ。
まあ、呼び方は違うが製法は分からないが、使えるので活用している道具という事だった。
そんなわけで、あの雑貨屋から地下空洞に転移したらしい。
ちなみにこの地下空洞もロストテクノロジーらしいからどうやって作ったかとか、コンクリートみたいな素材はなんなのかとかペンザエモンさんにいろいろ聞いたが全て分からないという答えだった。
こんな未知の技術で作られた地下空洞の施設使うのは怖くないのかとも聞いてみたが、すぐに慣れると言われてしまった。
確かに事故が一度も起きていないなら自然と感覚が麻痺して気にならなくなるかもしれない。
「さて、ここが【魔眼協会】の支部でござる。」
「うわっ、地下に建物がある……。」
地下通路みたいな場所を抜けるとそこにはコンクリートで作ったかの様な3階建の建物がいくつか建ち並んでいた。
「ここは大規模な【魔眼協会】なので研究施設も兼ねているでござる、なので普通の【魔眼協会】支部とは意味合いが違うのでござる。」
「普通の【魔眼協会】ってのはどんな感じなんですか?」
「簡単に言えば孤児院みたいな支部がほとんどでござる。 レイ殿は知らないかもしれないでござるが、危険な【魔眼】持ちは幼少期に捨てられたりする事が多いから保護したりする場所でござる。」
「確かに何人か【魔眼】持ちを見ましたが、ほとんどが成長と共に制御出来なくなるみたいですね。」
「そうでござる。 そして、【魔眼】持ちが20歳になれる確率は低いでござる……」
「やっぱり……」
ウリミアさんみたいな【魔眼】持ちは結構いるのか……
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