第245話 総当り戦 ⑥
メイザーさんの爆発系スキルにより、タラールくんに続きリュミエルさんとフランクくんも開始早々に瞬殺されていた。
これでメイザーさんは3連勝か……。
「次はメイザーとオルミルクの試合を開始しろ!」
オルミルクさんはメイザーさんの攻撃を回避するためにジグザグに移動しながら近づいていく。
流石にメイザーさんの攻撃が見えないオルミルクさん達には軽くアドバイスをする事にしたのだ。
まあ、アドバイスと言ってもメイザーさんの攻撃は移動速度が遅いって位だ。
リュミエルさんとフランクくんはアドバイスの意味が分からなかったから瞬殺されたがオルミルクさんは何となく理解してくれたみたいだ。
「ちょこまかと動いてやりづらい!」
「隙あり!」
ボンッ!
「きゃあ。」
「ふふ、甘いわよ。 ちゃんと接近された時の対策もあるわよ。」
オルミルクさんがメイザーさんに槍を突いたのだが、コーデリアの【水膜】みたい膜をメイザーさんも展開していて、槍が触れた瞬間に爆発が起きたのだ。
しかし、リーチの長い槍だったのでオルミルクさんは軽傷で済んだみたいだが、あの膜を対処しない限りはオルミルクさんに勝ち目は無いな。
うちのレギオンも急成長してきているが、基礎能力は近付いても戦いに有効なスキルが無いと厳しい。
「くっ、まだ……」
「私の感覚だとまだ実力不足な気がするわ。 今のうちに降参したらどう?」
「私はまだ動ける!」
「そう、続けるのね。 なら私の殲滅スキルを見せてあげるわ。」
そう言うとメイザーさんはオルミルクさんからある程度の距離を取りながら周りを走り出す。
「その程度のスピードで移動しても撹乱は無理だよ!」
オルミルクさんからしたらメイザーさんが動き回り、隙きをつき攻撃するのではないかと勘違いしたが……
「ふふ、もう勝ちは確定したわ。」
メイザーさんがオルミルクさんの周りを一周した時点で、勝利宣言をする。
確かに自分からしてもオルミルクさんは詰んだ様に見えた。
「……?」
ドゴオーン!
メイザーさんはオルミルクさんの周りを走った時に、爆発する空気圧縮弾を何発もオルミルクさんに向けて打ち出していたのだ。
そして、ちょうどオルミルクさんの居る位置で重なり大爆破が起きたのだ。
見えないから仕方ないが、あの場面ではその場から移動するのが正解だったと思う。
「それにしても、メイザーさんって強くない? 棒倒しの時と強さが全然違う気がするんだけど。」
「多分、メイザーさんのスキルでは死人が出るので、普段は手加減をしているのではないでしょうか。」
「確かに手加減は難しそうだね。」
圧縮の具合で威力が変わるのだろうが、見た感じ数秒の差で威力が全然違うからな……。
「私にはオルミルクを倒した相手に勝つのは難しいにゃ。」
「じゃあ、もう1つアドバイスをあげようか。」
「おお! レイくんのアドバイス欲しいにゃ。」
「よく動いて、手数を増やして、近付き過ぎないように。」
「にゃ? クイズかにゃ?」
「いや、アドバイスだよ……。」
あまり詳しく言うと訓練にならないから、ある程度はニャルルさんに考えてもらわないとな。
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