第243話 総当り戦 ⑤

 コーデリアとオリングくんの対戦結果はクラスメイトにしたら、かなりの衝撃だったみたいだ。


 自分達やブラット、エレナなどはコーデリアが【治癒】が得意なだけの後方支援職とは思っていないが、クラスメイトからしたらエルフ族の可愛い支援職だと思っていたら、アタッカーの前衛職すら未知の攻撃方法でアッサリと撃破してしまったのだ。


「こ、コーデリアの勝利! まさか、ここまでやるとは予想外だな……。」


 ビックリした中にはカーラ先生もいたみたいだ。


「いえ、たまたまですよ。」


 コーデリアは可愛い笑顔で謙遜を言うが……


「コーデリア、もう誰もそうは思わないぞ? コーデリアだけでクラスの3割近くは倒した事になるんだからな。」


「レイやセシリアさんならもっと凄いですし、シンシアも私より攻撃面では強いですよ。」


「……今思うと【チェスガン学園】出身者は規格外ばかりだな。 別クラスのアメリアやディアナも同じ学園出身者だろう?」


「そうですね。 私はクラスの中では普通以下の実力でしたよ。」


「【チェスガン学園】はどんな魔境だ……。」


 確かにコーデリアはクラスでは普通以下の実力だったが、クラスメイトが10人しか居ない状況で、自分とブラット、エレナ、シンシア、アラン、ブルーノの次にコーデリアとした場合である。


 そう考えるとクライブ以外はみんな戦闘職みたいなものだったが、特殊なのかな?


「カーラ先生、そろそろ疲れてしまったので、交代しても良いですか?」


「ああ、そうだな。 流石に6連戦は疲れるだろう。 次はタラールとメイザーの試合だ。」


 メイザーさんの【職種】は【爆裂師】で、クラスメイトからはボマーと呼ばれたりする生粋のアタッカーだ。


 アタッカーと言っても運動神経は良くないので、シンシアみたいな感じだろう。


 そして、タラールくんは最近になり多少は体力がついたが、まだまだ支援系の事しか出来ないので、勝てる見込みはほとんど無かった。


「タラールとメイザーの試合を始めろ!」


「一瞬で決めるわ……。」


 ぱちんっ!


 ボンッ!


「ぐあっ!!」


 メイザーさんが指を鳴らしたらタラールくんの目の前で、小さな爆発が起こり吹き飛ばされた。



「なるほど、空気圧縮ってそういう事か。」


「レイは、あれが、見えたの?」


「うん。 空気の攻撃で見えないとしても【魔力】が内包されているから【魔眼】で見えるよ。」


「それで、空気圧縮、って?」


「多分だけど、空気に【魔力】を混ぜて圧縮していき、爆発させたいところで解放する感じかな。」


「そんな、使い方が、あるんだ……。 私も、出来る、かな?」


「どうかな。 シンシアは既に【炎弾】を圧縮したり出来ているけど、解放してもあんな感じにはならないよね?」


「うん。 燃え、広がる、だけかな?」


「そしたら、爆発するには別の要素があるのかもしれないなぁ。 もしかしたら、爆発するスキルがあるのかもしれないね。」


「それは、残念……。」


まあ、シンシアの火力で爆発なんかしたら本人もろとも危ないと思うから助言するのはまだやめておこう。


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