第240話 総当り戦 ②

 コーデリアの、次に戦う相手は【封魔師】のアザミさんで、特定の条件を満たすと【魔法】を【封印】出来る【封魔】を使える特殊な【職種】だ。


 とアザミさんは言っていたが、【魔法】を本当に【封印】出来たらかなり凄いと思う。


 特に1対1の戦いなら【封印】さえ出来たら凶悪なスキルだろう。


「ふふ、コーデリアさんには悪いけど、【魔法】に特化した【職種】には負けないわ。」


「……私の【精霊魔法】も【封魔】出来ますか?」


「ええ、条件は整っているはず! 【封魔】!」


 条件が整っているはずって……、随分と曖昧だな。


 ってかコーデリアの【水膜】が健在なのだが。


【封魔】は不発だったのかな?


「……。」


「ふふ、コーデリアさんの【精霊魔法】も【封印】されてびっくりしているみたいね。 私としては降参してくれると助かるわ。」


 アザミさんには【水膜】が見えないみたいだから仕方ないのかもしれないが、自分のスキルがしっかり発揮しているか分からないものなのだろうか。


「私はまだ、戦えますよ?」


「最後まで戦うのなら仕方ないわね……。 きゃあ!?」


 勝ちを確信していたアザミさんは顔面に攻撃を食らい、仰向けにたおれてしまった。


 他の人にはアデルさんの時と攻撃の違いは分からないだろうが、アザミを攻撃したのは【守護聖獣】のアクアが顔面に体当たりしたのだ。


「アザミは気絶しているから、コーデリアの勝利だな。 どんどんいくぞ、エバー。」


「はい。 連勝は私が止めてみせます!」


 エバーさんは正直、アデルさんやアザミさんに比べると普通の風属性の【魔法使い】だ。


 鍛え方によっては応用力のある【魔法使い】になれるかもしれないが……。


 エバーさんは【エアーバレット】という風の弾丸を飛ばすのが得意なのか、コーデリアに向けて連打していた。


 うーん。


 何もしてない様に見えるコーデリアに対して、必死に【エアーバレット】を撃つが全てを【水膜】に阻まれているエバーさんの絵はシュールかもしれない。


 そんなのが数分続き……。


「【魔力】が尽きそうなので……  ギ、ギブアップします。」


 エバーさんの【魔力】切れにより戦いは終わってしまった。


「コーデリアがまさかの3連勝とはな。 流石は学年2位のパーティーメンバーだな。」


「ありがとうございます。」


「次は……」


 その後、【メンタルダウン】のクルミさんはコーデリアに挑むがあっさりと負けていた。


 クルミさんの【職種】はかなり特殊で、現状では【メンタルダウン】と【魔力操作】しかスキルは取得していないらしい。


 その代わり、相手より【魔力操作】の上手さで上回るとほぼ【メンタルダウン】という精神低下というかなり凶悪なスキルが発動する。


 棒倒しの時は、こちらの半分位が精神低下を食らいヤル気喪失により戦力を大幅低下されていた。


 しかし、コーデリアとシンシアは低学年の時から自分と一緒に【魔力操作】を鍛えていたから、クルミさんに【魔力操作】で負ける事は無かった。


 これでコーデリアは4連勝してしまった。


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