第239話 総当り戦

 クラス内の総当たり戦をする事になったが、相手の順番は……。


【禁呪師】のアデルさん

【封魔師】のアザミさん

【魔法使い】のエバーさん

【メンタルダウン】のクルミさん

【探索者】のクラリスくん

【弓使い】のオリングくん

【爆裂師】のメイザーさん

【忍者】のカオルさん

 ブラット

 エレナ


 の順番になった。


「最初にアデルさんを出してきたのか。 でも僕はコーデリアなら勝てると思っているから頑張ってね。」


「レイ、任せて下さい! 倒せるところまで倒します! だから応援して下さいね!」


「うん。 応援してるよ。 だけど、あまり無理はしないようにね。」


「はい。 大丈夫です。」


 なんかコーデリアはやけにやる気があるな。




 ☆



 コーデリアとアデルさんの戦いが始まろうとしていた。


 お互いが前衛タイプではないが、クラスメイトの予想ではアデルさん有利だった。


 まあ、クラスメイトはコーデリアが【治癒】や【水膜】を使っているところ位しか見たこと無いから仕方ないだろう。


「コーデリアさんと戦うのは初めてね。 悪いけど初戦は勝たせてもらうわ。」


「私もレイのパーティーメンバーとして負けられません。」



「よし、2人とも始めろ!」


「まずは私から行かせてもらうよ。」


 アデルさんは指先に【魔力】を集中させ、空中に見た事の無い文字を高速で書いていく。


 あれが【呪印】だろうか?


 いつもは見えない所で仲間に【呪印】で支援していたから、はっきりと見るのは初めてだった。


 アデルさんは書き上げた文字はかなりの量になり、50cmは有りそうな円になっていた。


「これが私の【呪印付与】だよ。」


 空中に書き上げた文字というか、魔法陣みたいなもの【呪印】に腕を突っ込むと、【呪印】はアデルさんの全身に広がっていった。


 そして、アデルさんはコーデリアに向かって走り出したのだが、ブラット並の速い動きだった。


 アデルさんの動きに対してコーデリアは全く反応はしないから、自分やシンシアなど、コーデリアを知る人以外は終わったなと思っただろう。


「残念ですが、それが全力なら私には勝てませんよ?」


「なっ、見えない膜があるみたいな感触……」


 アデルさんの攻撃はコーデリアに届く事無く、途中で止まりアデルさんもビックリしていた。


 自分には見えているが、アデルさんが【呪印】を書いている間にコーデリアは【水膜】を展開していたのだ。


「きゃ!?」


 そして、ノーモーションで【水弾】をアデルさんに叩き込んでいた。


 自分の【魔導】もそうだが、1年生レベルでは見えない【水弾】を初見で完璧に回避出来る人は少ないだろう。


 もちろんアデルさんも無防備なおでこや腹に【水弾】が何発も入り、気絶していた。


「よし、コーデリアの勝ち!」



「まさか、コーデリアさんがアデルさんに勝つなんて……」

「しかも、何をしたかわからないけど圧勝?」

「シンシアさんも強いし、レイくんのパーティーは全員強い!?」



「次はコーデリアとアザミの対戦だ!」


【封魔師】のアザミさんは【魔法】を【封印】出来るみたいだけど、【精霊魔法】も【封印】出来るのだろうか?


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