第228話 封印具
プリアさんと別れてから、自分は【深淵魔術】に使う【封印具】を作る為に【魔導工房】に来ていた。
「まさか、本当に黒歴史の【封印具】を作る事になるとは思わなかったな……。」
「私がそれらしいものを用意しても良かったのですが、マスターが作った方が強度やデザイン的に良いと思いましたので。」
「まあ、デザインは僕からしたら定番のものだけど、この世界には無い独自の文化みたいなものだからね。」
「それで、どんな【封印具】を作るのですか?」
「そうだなぁ……。」
リュミエルさんの【邪眼】には定番の眼帯として……。
アビルくんの【邪炎法衣】には両手足に紋様の書いた拘束具か、包帯かな?
フランクくんの【超合金化】とニャルルさんの【深淵獣召喚】はどうしよう?
「ニャルルさんの【深淵獣召喚】はプリアさんのみたいに常時召喚してるのかな?」
「いえ、特定の媒体を使い、随時召喚するタイプです。 マスターの記憶では式神とありました。」
「ああ、なるほど……。」
なら【深淵獣召喚】は深淵獣が【神紙】を触媒にしたものにして……。
「折紙はわりと得意だったから、鶴や亀とか何種類が折ってみるかな。 あとはフランクくんのだけど、金属化する【魔法】だよね? 何するんだっけ……。」
「そうですね。 長い詠唱をして金属の神を数秒間だけ憑依させるものです。」
「そうか。 そしたらパーティーメンバー2人の承認を得られないと使えない【封印具】を作ろう。 ネックレス型で良いかな。」
金属化は誰かを守るときにだけ使えるようにした方がリスクは少ないだろう。
それに、敵に囲まれている状態で金属化しても詰むだけだとおもうし……。
何を作るかを決めたら、手早く【封印具】を4種類作ることにした。
そして、【封印具】が破損したり触媒が失くなり次第【深淵魔術】は終わりにするということにしている。
ここまでやっておいてあれだが、本当に【深淵魔術】が発動するかは半信半疑で作業をしていた。 しかし、ここまで来たらやりきるしかないだろうな……。
☆
【封印具】を作成するのに結局、朝までかかってしまった。
出来上がった4つの【封印具】は……
【邪神の片鱗を封印せし眼帯】
【闇より深き炎を封印せし包帯】
【深淵の力を呼びし折紙】
【深淵の金属を纏う首飾り】
もう少しゆるい感じで作るつもりだったが、眼帯をもうちょいクオリティ上げようかな?というのが続いて、【邪神の片鱗を封印せし眼帯】が完成してら、他のも同じクオリティにしたくなり、完成して気がついたら朝になっていたのだ。
「名前が凄いけど、これを4人に渡しても大丈夫なのかな?」
「よろしいんじゃないですか。 最終的に使う決断は4人に委ねますからね。」
「渡すときにちょっと脅しを入れておくかな。 本番のここぞという時に使うんだよって。」
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