第227話 魔法姫 セシリア

「セシリアさんも変身出来るのよね? 良かったら見せてくれないかしら?」


 えっ?


 変身?


「分かりました。」


 そういうとセシリアは装飾過多な長めの杖を取り出した。


 変身出来るの?


「あなたはロングステッキを使うのね。 やっぱり私とはいろいろ違うわ。」


 セシリアは杖を片手に持ち、クルクル回りながら変身の呪文を唱え出した。


「キュウキュウ ポポルーナ マジカル・パワー!」


 そうするとセシリアの身体は光輝くリボンにくるまれだす。



 そして光と共にセシリアの服装は変わっていき、結婚式で着そうな純白のドレスみたいな服装に変化していた。


 顔の感じや髪色も変化しているのは変装用の【魔導具】だろう。


 それにしてもずいぶんと、演出に凝っているなと正直に感心してしまった。


 というか、そんな杖やドレスをいつ用意したのだろうか?


『マスター、どうでしょうか?』


『凄いね。 もう完璧な【魔法少女】だよ。』


『ありがとうございます。』


【暗黒魔闘技】を使い、【深淵魔術】を伝え、【魔法少女】に変身する……。


 セシリアは今後、何になるのだろうか?


「セシリアさん、素晴らしいわ!」


「ありがとうございます。」


「私とはやはりタイプは違うけど、変身すると容姿が変わるところは一緒ね。」


「そうなんですか?」


「ええ、私の変身も見せるわね。」


 プリアさんは胸元にあった宝石の付いたアクセサリーを手に持つと光り輝きだした。


「メイクアップ・モードA!」


 プリアさんも全身がキラキラと輝きだす。


「何だろう。 ここ数日、異世界感が全く無いのは何でだ……。」


 キラキラが止むと、そこには成長した?姿のプリアさんがいた。


 服装はザ・【魔法少女】って感じのフリフリしたもので、現実で見るとコスプレみたいに見えてしまっていた。


 しかし、セシリアの偽装【魔法少女】とは違い、プリアさんの変身は確実に強くなっているのが分かった。


「プリアさんの変身は凄いですね……。 変身前とは比べ物にならない濃密な【魔力】です。」


「ありがとう。 あなたは【魔眼使い】だから【魔力】が見えるのね?」


「はい。 ざっくりですが【魔力】で強さも分かります。」


「あなたの担任であるカーラ先生と比べてどう?」


「【魔力】だけで言えば互角か、それ以上ですね。 実際には戦ってみないと分かりませんが……。」


「流石【魔眼】ね、ほぼ当たっているわよ。 この状態ならカーラ先生とも互角以上に戦えるわ。」


「あのカーラ先生に互角以上は凄いですよ。 という事は学年が違うのにカーラ先生とも戦ったことあるんですね?」


「そうよ。 あの先生は強いと思った生徒とは戦いたくなるから困ったものよね。」


「巻き込まれる生徒は大変ですね。」


「あなた達二人も戦わされたのかしら?」


「いえ、クラスメイトの一人が集中的に戦わされていますね。 なので僕やセシリアはカーラ先生とか戦わされていませんよ。」


「カーラ先生がそこまで1人の生徒に集中するなんて、その後輩は相当才能があるのね……。」


「確かに才能は凄いかも。」


「あなた達も何か困った事があれば相談にのるから気軽に教室に来ていいわよ。 私はこれでも学年2位だから少しは力になれるわ。」


「ありがとうございます。 何かあったら相談させてもらいますね。」



 プリアさんの実力でも学年2位なのか……。



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