第226話 深淵魔術 ②

 【深淵魔術】を4人のレギオンメンバーに教える事になったのだが、教える内容は……


 フランクくんには【超合金化】という数秒だけ全身が金属化するもので、リスクは発動後身体の一部が一定期間動かなくなる。 


 アビルくんには【邪炎法衣】という邪炎を纏う鎧を作ることが出来るもので、リスクはモテにくい体質になっていく。


 リュミエルさんには【邪眼】という【魔眼】に似たもので、リスクは徐々に失明していく。


 ニャルルさんには【深淵獣召喚】という異界から

 深淵獣を召喚するもので、リスクは召喚時間に比例して不幸をもたらす。



 この4つをセシリアが教える事になった。


 これでも弱い方の【深淵魔術】だからリスクも弱めだが長時間使うと危ないので、制限時間を設ける事にした。



 それ以外にはみんなに木製の武具に【神紙】を貼り付けた簡易的な強化武具を貸してあげた。


【魔石】などは一切使っていないが、【神紙】は最初の使用者の【魔力】を吸収して【属性付与】などを効率的に使える様になる専用武具になるので、全身黒タイツの【魔力操作】と合わせて【属性付与】も訓練してもらうつもりである。





 ☆



 レギオンメンバーによる棒倒しやメンバーの強化武具を渡したり、【深淵魔術】の書き写した紙を渡した。


【深淵魔術】は思い込みが必要なのと、【封印具】というものが必要で、ある程度の期間は封印していないとダメらしい。


 なんとも面倒な設定である。



「さてと、放課後は何しようかな。 やることがいっぱいあって忙しいな……。」


「マスター、忘れているみたいですが放課後はプリアさんと会う約束がありますよ。」


「あっ、【魔導ペンギン】の件でセシリアが【魔法少女】系って設定になっていたんだっけ。 対策を考えてなかったな。」


「マスターの作成した【魔導具】をいくつか使えば大丈夫だと思います。」


「おお、流石セシリア。 それじゃあ、【魔法少女】っぽいやつを頼んだよ。」


「お任せください。」



 自分とセシリアは放課後にプリアさんが待つ修練場へと向かうのだった。




 ☆



 修練場に着くと既にプリアさんとデブった猫みたいな生き物が待っていた。


「お待たせしてすいません。」


「いや、そんなに待っていないから大丈夫よ。 こっちのデブネコは【召喚獣】のラピスよ。」


 やっぱり、この猫が【召喚獣】なのか。


「紹介されたワシがラピスじゃ。」


「しゃべった!?」


「なによ。 【魔法少女】の【召喚獣】はしゃべるものじゃないの?」


「いや、こやつの【召喚獣】達はお互いは意志疎通出来ているみたいじゃったが、何を話しているかは分からなかったな。」


「【召喚獣】もいろいろいるのね! 面白いわね。」


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