第223話 レギオン ミッション 棒倒し ④

 シンシアはアデルさんとメイザーさんのふたりを相手に戦っていた。


 シンシアは近接戦闘をされるのは苦手だが、アデルさんやメイザーさんみたいな中距離から遠距離を得意とする似たタイプには強かったりする。


 メイザーさんは空気を圧縮したものを爆発させているみたいで、シンシアの【炎弾】が当たるとかなりの音と共に爆発していた。


 アデルさんのスキルは今だに分からないが、メイザーさんのスキルを強化したりしてるのかもしれない。


「なかなか、倒せない……。」


「それはこちらの台詞よ。 二人でも倒せないなんて。」


「でもランキング2位のパーティーメンバーと2人がかりなら互角に戦えるって分かったわね。 鍛えれば私もレイくんを超えられるかな……。」


「むっ、私は、良くても、レイが、弱く、見られるのは……。」


 シンシアは【魔力操作】を安定させる為の眼鏡を外してしまう。


「えっ……。」


「何よ、この【魔力】は……。」



 あっ、ちょっとシンシアの【魔力】がどんどん上がっている気がするな。


「おい、レイ。 シンシアのあの【魔力】はヤバイんじゃないか? 俺達なら何とかなるがアデル達だと……。」


「うん。 ちょっと、キレ気味でヤバイかもしれないけど、大丈夫そうだよ。」


 自分は【魔導球】をアデルさんとメイザーさんの方に飛ばして【魔導壁】を展開出来る様にしておく。



 シンシアは片手で通常サイズの【炎弾】を放ちつつ、もう1つの手には【魔力】を圧縮した【炎弾】を展開していた。


「あ、アデル、この攻撃は受けたらヤバイわよ。」


「そうね。 エターナル先生に放ったのより強いかも?」


「それって私達が死ぬじゃん!?」


 あの圧縮された【炎弾】を放ったらアデルさんとメイザーさんはヤバイかもしれないが……。


「シンシアさん。 そこまでですよ。」


「あっ、セシリアさん……。」


 エレナと戦っていたセシリアが、向かっているのが見えたので、大丈夫だろうとは思っていた。


 セシリアはシンシアの【炎弾】を【魔素圧縮吸収】により吸い取っていた。


「おし! 棒倒し1戦目は終わりだ! シンシア、相変わらずやり過ぎだ!」


「すいません……。」


「まあ、危なそうなら私が止めていたがメンバーがフォローしたからいいだろう。 それにしてもブラットパーティーとレイパーティーとそれ以外のパーティーとで戦力差があり過ぎるな……。」


「「……。」」


「レイとアデルはレギオンパーティーの戦力増強に力を入れろよ。 厳しくしごかれたかったら私のところに後でこい。」


 カーラ先生の個別指導は厳しそうだから、誰もいかないだろうな。


 しかし、戦力差があり過ぎるなのは自分も思ったが、【魔力操作】以外に何をすれば良いのだろうか?






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る