第221話 レギオン ミッション 棒倒し ②

 レギオンミッションの棒倒しは、攻める側と守る側と支援する側に分ける事にした。


 攻める側はシンシア、【暗黒兵士】のオルミルクさん、【獣使い】のニャルルさん。


 守る側は【盾使い】のフランクくん、【保温師】リュミエルさん、【傭兵】のアビルくん。


 支援する側はコーデリア、【治癒師】のタラールくん。


 自分とセシリアはブラットとエレナを抑える方にまわる事にした。


 そして、セシリアと話して【魔導ペンギン】の中でも大人しい土朔(どさく)、空璃(くうり)、闇夜(やみよ)の3匹を投入する事にした。


 ちなみに、3匹共に攻撃はさせない命令をしており、自己防衛のみをさせる事にしてある。


「この魔法ペンギン達は簡単な命令しか聞かないので、保険程度に思ってください。 邪魔はしないと思いますが確実に守ってくれるとは限らないので……。」


「えっと、レイくん。 その動物は大丈夫なのかい?」


「多分、大丈夫です。 僕とセシリアはブラットとエレナの対応でサポートが難しいと思いますが頑張っていきましょう。」


「ブラットくんの対応は分かるけど、アデルさんじゃなくてエレナさんなの?」


「エレナの方がアデルさんより脅威度的には上だと思うよ。 今回のアデルさんの強さを見てから次回以降の参考にするから、終わったらアデルさんの詳細を教えてね。」


「分かった。」


 自分と一緒でエレナが本気を出したら、棒倒しは試合にならないだろうが多分そこまでの本気を出さないと思う。


 今ではエレナの本気がどれ位なのかは自分やブラットには分からないが、自分より強いのではないかと思っている。


 エレナが10歳の時にこっそり【鑑定】したら【鑑定不能】って出ていたからな……。


 この【鑑定不能】は自分より圧倒的に強いか、【鑑定】を阻害するスキルなどを使うしかない。





 ☆



 レギオンの授業である棒倒しが始まり、先制攻撃をしたのはシンシアだった。


「手加減は、しているけど、怪我を、したく、なければ、避けて。 【炎弾】」


 シンシアの威力を抑えて数で攻める【炎弾】を十数発棒に向かい撃ち込んだ。


 アデルさん側のレギオンには【治癒】出来る人がいないから、ダメージを少しでも与えたら、こちらが有利になっていくのでとりあえず大規模攻撃は適当にやってもらう様にシンシアに伝えてある。


「ははっ、シンシアも戦い方がレイに似てきたな!! だが、甘い!」


 ブラットはシンシアの【炎弾】前に飛び出し、大剣でどんどん【炎弾】を弾いていく。


「むむ……。 ブラット、邪魔……。」


「邪魔をするのが作戦だからな!」


 ブラットは簡単に【炎弾】を弾いているが、他の生徒だと受け止めるのが精一杯で、多少はダメージが出るはずなのに、ブラットは無傷でシンシアの【炎弾】を防いでしまった。


 やはりブラットは別格だな……。


「セシリア、ちょっと強めの攻撃をアデルさんにしてから、ブラットとエレナの足止めに行こう。」


「分かりました。」


 セシリアは【魔導銃】をアデルさんに向けて数発撃つが、途中で何かに当たり不発に終わる。


 多分、エレナ辺りが邪魔をしたんだろう。


 しかし、今の攻撃で分かったがアデルさんは反応すらしていないから【魔導】系の攻撃なら当てられそうだ。


 自分は10個の【魔導球】を使い半分エレナの足止めに、半分はアデルさんに向けて強化された【魔導弾】を50発ほど撃ち込む。


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