第220話 レギオン ミッション 棒倒し

 自分とセシリアは【魔導ペンギン】により倒された【召喚獣】の主人であるプリアさんに会いに来ていた。


「別に気にしなくても良いわよ。 キリルが勝手に割り込んだんだし。」


「【召喚獣】は大丈夫でした?」


「ええ、私の【召喚獣】は死ぬようなものじゃないから大丈夫よ。 それよりあなたのメイドも【魔法少女】系らしいじゃない。」


「一応は……。」


「なら放課後に修練場でちょっと話さない?」


 予定は無いのだけど、どうしようかな……。


 あまり長く話していると【召喚獣】って設定も嘘だってバレそうだからな。


 しかし、迷惑をかけた手前断りづらい。


「ちょっとなら大丈夫です。」


「そう! 良かったわ! なら修練場で待ち合わせしましょう。」


 プリアさんは凄く嬉しそうな笑顔で放課後に会いましょうと言いながら、教室に入っていった。


「何となく罪悪感があるな……。」


「嘘とは言えない状況ですよね。」


「セシリアには悪いんだけど、話を合わせてもらって良いかな?」


「はい。 問題ありません。 【魔法少女】の知識もマスターの記憶内にありましたから大丈夫です。」


「ん? 僕の記憶内?」


「そろそろ授業が始まるので私達も教室にいきましょう。」


「え? あっ、そうだね。」


 何だろう。


 セシリアの言う問題無いって言葉に危険な感じがするのは何でだろう?




 ☆



 

 今日の授業は、クラスのレギオンメンバーで対抗戦をやることになっていた。


 運動会である棒倒しに似ている試合でコートはサッカー位の広さがあった。


 棒には一定以上のダメージが10回ヒット出来たら勝ちになる。


 ちなみに殺傷力のあるスキルなどは禁止なので、一般的な生徒だと遠距離攻撃で棒にダメージを与えるのは難しい。


 まあ、自分なら遠距離攻撃でもダメージは出せそうだけど、授業でそんな無粋な真似はしない。


 これが、重要な試合なら話は別ではあるが……。


 自分とセシリアはブラットとエレナのマークに付くとして、向こうのリーダーである【禁呪師】のアデルさんを誰が対応するか……。


【呪印】は肉体を強化したり弱らせたり、効果の幅が広いので対策が難しかったりする。


「シンシア、アデルさんの対応を任せても良いかな? 相性が悪そうなら次からは別の作戦にするけど。」


「分かった。 頑張って、みる。」



 アデル側のレギオンメンバーのざっくりした情報は……。


【禁呪師】アデル

 【呪印】を使う銀髪の空属性の女子。  


【魔法使い】エバー

 風属性の女子。 

 【エアーカッター】【エアーバレット】が得意。


【弓使い】オリング

 風属性の犬獣人男子。


【探索者】クラリス

 光属性のダンジョン探索などが得意な男子。



【忍者】カオル

 闇属性の女子。


【爆裂師】メイザー

 空属性の女子。

 【空気爆発】が得意。


【メンタルダウン】クルミ

 精神に作用するスキルを使う女子。


【封魔師】アザミ

 【封魔】という【魔法】封印するスキルを使う女子。


 エレナとブラットの10人である。


 個々の能力はやはりこちらのレギオンより高そうだが、【治癒】を使えるメンバーがいないから長期戦には向かなそうであった。

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