第216話 魔導ペンギン

【魔導スライム】がペンギン型になったので【鑑定】をしてみたら、名前が【魔導ペンギン】になっていた。


「名前が【魔導ペンギン】に変わっているね。」


「……本当ですね。 先程確認した時には【魔導スライム】でしたから、今変化したのでしょうか?」


「なんだが名前が変化してから肌の感じにも変化が出てきたんじゃない?」


【魔導ペンギン】に触ってみると【魔導スライム】だった時にあったプヨプヨした感じが少し無くなり、生物っぽい感じになっていた。


「マスターに報告してから急速に変化している感じですね。」


「もしかして、ペンギン型になったのは僕がペンギン好きだから?」


「その可能性は高いですね。 元々【魔導スライム】には決まった型が無かったのです。 【同期】によりマスターの趣向を参考にしているかもしれません。」


「なるほど、【魔導ペンギン】は良い仕事をするな。」


 趣向を反映して姿を変えられるなら【魔導ペンギン】達は将来的にセシリアみたいな自我に目覚めるだろうな。


「私も人型ではなくペンギン型なら……。」


「いやいや、セシリアは人型で凄い助かってるよ。 ペンギン型だといろいろ不便だろう。 【魔導ペンギン】達もセシリアが居るから実用性より趣向に走ったのかもしれないし。」


「そうですか?」


「うん。 とりあえず今日は遅いから【魔導ペンギン】達を【ストレージ】にしまって寮に帰ろう。」


「分かりました。 あら? 【ストレージ】にしまえない?」


「えっ!?」


「すいません。 【魔導ペンギン】が生命体と認識されてしまいました。」


「まじか。 どうするかな……。」


 今だに原理は分からないが【ストレージ】に生命体は入れられないのだが、この短い時間で【魔導ペンギン】は非生命体から生命体へと変化したと認識されたのだろう。


 そうなると問題なのが【魔導ペンギン】達の保管場所である。


 1番妥当なのが自宅地下にある修練スペースで飼うことなのだが、勝手に動くとなると不安にもなる。


 自宅地下の修練スペースは衝撃などには強いが、隔離する目的で作っていないから出ようと思えば簡単に外へ行けてしまうのだ。


「マスター、私の【召喚獣】という事にして学校内にある飼育場に預けるのはどうでしょうか?」


「【召喚獣】かぁ。 夜中だけどまだ先生いるかな?」




 ☆



 12匹の【魔導ペンギン】を引き連れて自分とセシリアは、学校の職員室は来ていた。


【魔導ペンギン】はセシリアの言う事を聞きながらヨチヨチ歩いて付いてきたがかなり可愛いなと思った。


 職員室に入るとカーラ先生や他の先生達も仕事をしていた。


 こんな遅くまで働いているなんて、大変な仕事なんだな……


「レイとセシリアか。 今度はどんな問題事を持って来たんだ?」


「そんな、毎回トラブルを持ち込んでるみたいな……。」


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