第210話 レギオン

 今日から授業でレギオンが始まる。


 このレギオンは、複数のパーティーを複合して10人前後のチームを作り、教師が考えたミッションを攻略していくものみたいだ。


 1クラスで約2つのレギオンを作り、最終的には全生徒によるクラス対抗のレギオン戦があるのだ。


 一応、自分達とブラットのパーティーは別のレギオンにする事にしていたが、それ以外は何も決めてはいなかった。


 他のパーティーも結局は決めかねていたので、カーラ先生が一方的に決める事になった。


「まずはレギオンのリーダーを3人決めろ。 それ以外のメンバーは私が適当に割り振ってやる。」



「レイくんが良いと思います!」

「ブラットくんも!」

「私はアデルさんを!」

「私も……」


 結局、レギオンリーダーは自分ともう1人はアデルさんという女子だった。


 アデルさんは最近になりどんどんと強くなってきたクラスメイトで、【職種】は【禁呪師】である。


 元々は【呪術師】だったらしいが10歳になり【職種】が進化して【禁呪師】になったみたいだ。


【禁呪師】が使う【禁呪】は、強力だが使い方が難しいらしく、最近使える様になった【呪印】というスキルで一気にクラス内でも有名になっていた。




「レイのところは4人パーティーだから、3人のパーティーを2ついれるぞ。」


「はい。 分かりました。」


 自分のところには……


 学年ランキング12位

【盾使い】 フランク

【傭兵】 アビル

【治癒師】 タラール

 の男子3人組のパーティーと


 学年ランキング19位

【暗黒兵士】 オルミルク

【獣使い】 ニャルル

【保温師】 リュミエル

 の実質最下位である女子3人組の10人になった。


「よろしくな。 俺は【盾使い】のフランクだ。 複数人はまだ守れないけど、頑張るよ。」


「俺はアビル。 器用貧乏って呼ばれている【傭兵】だけど、よろしくな。」


「俺はタラール。 コーデリアさんみたいな【治癒】は出来ないが、頑張るよ。」


 この3人組はバランスは凄く良いが、これといった特徴が無いザ・平均って感じのパーティーだ。


 強いて欠点を上げるなら火力不足だろうか。


 そして、問題は……


「【暗黒兵士】のオルミルクです。 よく【暗黒騎士】の劣化騎士って呼ばれています……。」


「僕は【獣使い】のニャルルだよ。 まだ小動物しか仲良くなれないけどよろしくね。」

 

「えっと、私は【保温師】のリュミエルです。 保温するしか能がないですが、よろしくお願いいたします。」


1年生は19組のパーティーしかないので、この3人組がダンジョン攻略では最下位だった。


【暗黒兵士】や【獣使い】はまだ分かるが、【保温師】ってなんだ?


どの【職種】も使い方次第だと思うから、なにか隠れた能力が……。



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