第209話 呼び出し ③
自分はセシリアのファンクラブか親衛隊を結成したいとの打診を上級生から受けていた。
「ファンクラブに強さが関係あるんですか?」
「かなり重要ですよ。 いくら見た目が良くても強さが無くてはダメですね。 そして、強い人を守れるように僕達も強くなる為の訓練をします。」
「なるほど。 そこは流石、冒険者学校だね。」
「冒険者は何をするにしてもだいたい強さが必要になりますからね。 それでセシリアさんのファンクラブはどうですか?」
「うーん。 セシリアに相談しても良いかな?」
「レイくんから話してくれるならお願いするよ。 」
「さっきセシリアがいる前で話せば良かったんじゃないですか?」
わざわざ自分だけを呼んで話すのは二度手間な気がするんだが……。
「いや、レイくんに断られる可能性もあるからね。 レイくんに断られたら、セシリアさんには僕達の事を内緒にしてもらおうかなと思ってね。」
「なるほど……。」
「それじゃあ、レイくん頼んだよ。」
☆
「マスターお帰りなさい。」
「セシリア、話の内容は聞いてたでしょ?」
「はい。 マスターとは視界なども【同期】していますから見えていました。」
ファンクラブを結成しようとしていたみんなには申し訳ないが、自分とセシリアは視界などを共有しているので、ファンクラブを作ろうとしていたのはバレバレだったのだ。
自分は脳のキャパ的にセシリアの視界を見たら日常生活がしんどくなるから見てはいないが、自分の視界は常にセシリアが見ているのでプライバシーなんてものは無い。
「あの話を信じるならファンクラブを作るのもありかなって思うけど、どうかな?」
「マスターが言ってるのは、ファンクラブが結成されたら告白されたりしないってところですよね?」
「そうだよ。 セシリアは美人だからね。」
「ありがとうございます。 そういう理由なら構いませんよ。」
「あと、出来れば返事をする前にファンクラブの事などを調べてみたいな。」
「それならカーラ先生に聞くのが良さそうですね。」
……放課後にでも聞いてみるかな。
☆
自分は学校に向かうと、既にブラットやコーデリア達は登校していた。
「レイ、さっきまでアメリアさんとディアナさんがいたんだが、また模擬戦をやろうと言っていたぜ。 あれは勝てるまで挑戦するタイプだな。」
「たまになら良いけど、頻繁には無理だよ。 放課後にはやりたい事がいっぱいあるからね。」
「ああ、たまにでも良いから模擬戦やろうぜ。 最近はエレナが模擬戦に付き合ってくれなくて物足りないんだよな。」
「あれ? エレナは何してるの?」
「いや、放課後のエレナが何をしているかは俺も分からないんだよな。」
相変わらずエレナは何をしているのか分からないのか……。
「そうなんだ……。 そう言えば、ブラットは今日から始まるレギオンをどうするか決めた?」
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