第207話 呼び出し

 アメリアさん達と模擬戦をしたの夜。


「セシリア、あの暗黒魔闘技は使用禁止ね。」


「それは構いませんが、理由を聞いてもよろしいですか? マスターの考案した暗黒魔闘技は素晴らしい性能だと思いますが?」


「理由か……。 ちなみにだけど、暗黒魔闘技って技名とか詠唱を言わないって出来る?」  


「いえ、原因は分かりませんが、暗黒魔闘技は詠唱と技名を言わないと発動しませんでした。」


「何となく予想はしていたけど、本当に発動しないんだね……。 ならやっぱり使用禁止かな。」


 セシリアに中二の説明をして、理解してもらうのには苦労した。


 まあ、実際は理解出来なかったのだが、緊急事態以外は使用禁止にしておいた。


 しかし、詠唱をするとスキルの威力が上がったり、使えないスキルが使える様になったりするのかな?


 ひっそりと地下で練習するかな……。





 ☆



 次の日の朝……。


 学校へ向かおうと、学生寮を出たら複数の男子学生が待ち構えていた。


 最初は自分以外の誰かを待ち伏せしているのかなと思い、通り抜けようとした。


 男子学生は見たことも無い人達だから、因縁などを付けられる理由も無いと思ったからだ。




「レイくんというのは君だね?」


 しかし、ターゲットは自分だった……。


「はい。 僕がレイですが、何のようですか?」


 自分に話しかけてきた先頭の男子は、セシリアをちらっとみたあと……


「レイくんにだけ話がしたいのだけど、良いかな?」


「私は護衛ですから着いていきます。」


「いや、僕達はレイくんとだけ話がしたいのだが……。」


「私の事は気にしなくて大丈夫です。」


「いや……」


 何だろう、セシリアがいると気まずいのかな?


 別に絡まれる感じでもないから1人でも大丈夫かな。


「セシリア、僕は1人でも大丈夫だからここで待っていてよ。 学校内で危険な事は無いからさ。」


「分かりました。 マスターが言うなら……」


 本当はセシリアもついて来たかったみたいだが、しぶしぶ了承してくれた感じだった。


 まあ、自分とセシリアは視界を共有しているので、何かあればすぐに来てくれるはずだ。


「おお、ありがたい!」


「その代わり、登校時間まであまりないですよ?」


「それは僕達も同じだから大丈夫だよ。 すぐに済むからさ。」




 ☆




 男子生徒達の集団についていく事になったのだが、てっきり近くのこ室にでも連れて行かれるのかと思ったが、連れて来られたのは学生寮の隣にある建物にある1室だった。


「レイくん。 よく来てくれた!」


 部屋の中には【ハンタースクール】の上級生達だろう男子が何人もいた。


 いや、よく見たら女子もいるな。


 ほとんどブラットみたいに鍛え上げられた肉体をしているのが制服からでも分かった。


 いったい何の話があるのだろうか?



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