第205話 暗黒魔闘技 ②

 セシリア対ブラットとコーデリアの模擬戦が始まったのだが……



 セシリアの身体に漆黒のオーラみたいなのが漂っていた。


 そして背中から漆黒の翼を生やした堕天使の様な感じだった。


 凄く中二だな……。


「見た事の無いスキルだな……。 コーデリアは見た事あるか?」


「いえ、詩を読むタイプなのでしょうか? 初めて見ましたが何だか心から畏怖を感じます……。」


「この技はマスターの編み出した究極闘技である暗黒魔闘技です。」


 ちょ……。


「流石はいつも予想外な事をするレイだな。 オリジナル闘技まで考えるのか。」


「流石レイですね。」


 やめて!


 ライフがガリガリ削られる……。


 それは自分が若気の至りで考えた禁断の技だよ!


 しかも、なんで効果が出てるの!?


「なら俺も全力でいかないとな。 コーデリア、【武器操作】を使うぜ。」


 ブラットは【闘神の加護】を発動させる事により、【武器操作】というスキルを発動する。


 これにより、ブラットはいつも以上に武器を自在に操れる様になるスキルだ。


「暗黒の者達よ。愚かな我が声に応じ、今一度暗黒の加護を。 【ダークネス・アームズ】!」


 セシリアが存在しない架空の詠唱を終えると、何故かメイド服の上に漆黒の篭手が装着されていた……。


 昔に考えた黒炎のイメージ通りっぽいし、格好いいけど……。


 自分の考えた中二詠唱を真顔でやられたら恥ずかしすぎる!



 漆黒の籠手を装備して構えるセシリアに対して、ブラットは木製の大剣を構えながら走っていく。


 ブラットの剣戟は、ディアナさんのスピードよりも速く、鋭い感じがした。


 至近距離であの剣戟をされたら、自分に全てを防げる自信は無いが、セシリアは漆黒の籠手により全てを受け流していた。



 そして、ブラットの胴が空いたところに掌底打ちをする。




 うん。


 自分の考えた戦いかたを忠実に再現しているな……



「流石はセシリアさんだな。 強い……、だが。」


 ブラットが横に移動したあと、すぐにコーデリアの【水弾】がセシリアへ向けて飛んでいった。


 遠くから見ていた自分には、コーデリアが【水弾】を放ったのは丸見えだが、セシリアの視点からはブラットの身体により隠れて見えないのか、セシリアの反応が遅れて【水弾】は直撃した。


「流石に【水弾】の直撃はダメージが…… 無傷だと!?」


「【ダークネス・フォーム】は一定以下の【魔力】攻撃を無効化します。」


「反則みたいなスキルだな……。 暗黒魔闘技、侮れないな……」


 なにそのゲームみたいな効果!?


 ってか【魔素圧縮吸収】かと思ったけど、何発か【水弾】が霧散されているのを見たら、本当に【魔力】攻撃を無効化しているみたいだった。


「今度はこちらからいきます。 我が右手に暗黒を装填させし、最速の魔弾を受けよ。 【ダークネス・ブリット】!」


 セシリアは空手の正拳突きをする構えをながら、右手に怪しげなオーラを集めだし、それを離れた距離にいるブラットへ突き出すと、拳の形をしたオーラが飛び出していった。


「おっと、流石にその攻撃はバレバレだぜ。 なっ!?」


 セシリアの【ダークネス・ブリット】をブラットは木製の大剣を使い、上手くガードしたが、【ダークネス・ブリット】は回転力がかかっているのか、キュルキュル音をたてながら木製の大剣を破壊していった。


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