第202話 シンシアの強さ
自分と戦ったディアナさんは、コーデリアの治癒により全回復していた。
「まさか、あんなに早く負けるとは……。 これがアメリアの言っていた感覚か。」
「ディアナも私の言っていた感覚が分かったようね。」
「その感覚ってなに?」
ディアナさんとアメリアさんが共感出来る感覚ってなんだろう?
「「それは秘密よ。」」
「えぇ……。」
「レイ、多分だが俺達がエレナと戦った時に感じる、アレじゃないか?」
「ああ、なるほど。」
ブラットにしては分かりやすい例えだな。
要はどんなに努力しても【野生の勘】というチートスキルの前にはほとんどが無駄になるという理不尽感か……。
エレナも幼少期からエリーさんに地獄の特訓を受けて強くなっているから、エレナの強さが棚ぼたみたいな風には考えていないが、圧倒的に万能なスキルの前には多少の努力は吹き飛んでしまうのだ。
「しかし、卒業までに倒すのがブラットくんとレイくんになってしまったな。」
「ディアナさんは学年トップでも狙うんですか?」
「ああ、私とアメリアは卒業までに強そうな同級生を全て倒し、最後にアメリアと戦う約束をしているのだ。」
「ディアナさん、その目標は無謀だぜ……」
「ああ、確かに無謀かも……」
「むっ、なんだ2人して私では永遠に勝てないとでもいうのか?」
「いや、俺達に負けてる位だと無謀って話だよ。」
「私が見る限りではブラットくんとレイくんは学年トップクラスだろう。 他にも強いやつがいるのか?」
「実力を隠している奴はいるかもしれないって話ですよ。」
ディアナさんは、エレナやセシリアの本来の強さを知らないから仕方ないけど、あとでブラットやコーデリアと戦うセシリアを見たら考えが変わるかもしれない。
「まだ卒業まで時間もあるんだし、戦い続ければいつかは超えられるわ!」
「相変わらずアメリアは短絡的だな。」
ディアナさんはアメリアさんとシンシアが中央に来たのでブラットと端の方へと歩いていった。
「ディアナが考え過ぎなのよ。 さあ、シンシアさん戦いましょう!」
「分かった、燃やし、尽くす……」
「シンシア、殺しては駄目ですよ?」
「なら、胸だけは、燃やす……。」
「……それは名案ですね。 私もアメリアさんの胸だけは治したくありません。」
「2人とも危ない発言はしない様にね。 コーデリア、僕達も端へいこう。」
「はい。」
「シンシア、頑張ってね。」
「レイ、ありがとう。 私、頑張る。」
急激にシンシアの体内【魔力】が濃縮されていく感じがするが、本当にアメリアさんを焼き殺さないか不安になって来たな。
不安な顔をしている自分を見て、コーデリアが大丈夫だと言ってくれるが、やる気を出したシンシアは自分と一緒でやり過ぎる傾向があるからな……。
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