第201話 VS ディアナ ②
自分達は急遽ブラットに誘われて修練場に来ていた。
自分と模擬戦をする事になったディアナさんは髪と瞳が緑色の竜人族で、肌は少し日焼けをしている感じだ。
低学年時に見た時とは違い、2本の木製のバトルアックスをブンブンと振り回している。
ディアナさんの腕はブラットみたいに太くないのに、どこからあんな力が出てくるのか不思議だ……。
「さあ、始めようか。 一応、即死になりそうな攻撃と頭部への攻撃は禁止にしよう。」
「分かりました。 いつでも良いですよ。」
自分は8個の【魔導神木球】に【魔導】を流してふよふよと浮かせ、2本の木刀を構える。
「私と同じ二刀流なんだな。 」
「ディアナさんとは大きさが違いますよ。」
ディアナさんは背中にある小さな翼をパサパサさせてから、突進してくる。
低空飛行みたいな感じで突進してくるので、あの小さな翼で飛行しているのかもしれない。
流石にあの木製バトルアックスを木刀で受けとめるのは難しいかもしれないので、4個の【魔導神木球】に【魔導壁】を展開させて防いでいき、バトルアックスを【魔導壁】で白刃取りの要領で挟む。
「ぐっ、動かなく……」
ディアナさんの動きが止まったところで、がら空きの胴に木刀で何発も撃ち込むが……。
「硬い!?」
ディアナさんの胴は鉄板でも仕込んでいるかの様に硬かった。
「竜人族が戦闘向きの種族というのは、パワーもあるけど肌の硬さもあるのさ。」
「それって反則級ですね。」
「今の木刀がレイくんの全力なら、私にダメージは難しいぞ。」
本当は木刀で倒したかったけど、無理なら【魔導弾】か【魔導剣】でいくかな……
「じゃあ、ちょっと強めにいきますよ!」
【魔導神木球】から【魔導剣】を伸びる様に展開させていき、ディアナさんの前後左右から斬りつけていく。
「ぐっ、これがアメリアの言っていた見えない攻撃か。」
「これなら有効みたいですね。」
しかし、流石は学年でもトップクラスなだけあって、しばらくしたら【魔導神木球】から斬りつけられているのに気が付き、回避しだした。
【魔導神木球】は【魔導】の性能を上げてくれるけど、人類相手だと攻撃してくる場所がバレるのが欠点かもしれない。
たぶん、そろそろ回避されるだろうとは思っていたので、残りの【魔導神木球】をディアナさんの背後に回しておく。
「だけど、球の位置さえ把握出来れば回避もで……」
そして、残りの【魔導神木球】から【魔導弾】をいくつも撃ちだしていく。
「ぐあああっ!」
背後にから撃たれるのは予想外だったみたいで、ディアナさんは【魔導弾】をまともに食らい、吹き飛ばされていく。
「不意打ちみたいな感じはあるけど、僕の勝ちかな。」
「やっぱり、レイの攻撃を初見で対応するのは無理だったか。 ディアナさんもまだ本気を出す前に負けて可哀想に……。」
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