第197話 ナチュラルマスター ③
自分はエターナル先生に向けて全力の【圧縮魔導砲】を撃つために集中していた。
雷属性の付与は自分が維持出来る限界まで変換したので、あとは暴発しない様に前方に圧縮したエネルギーを放出するだけだった。
シンシアが撃つ【炎弾】や自分の【魔導弾】は圧縮していないから威力を上げればそれだけ大きくなるから暴発のリスクはほとんど無いが、圧縮の作業をするだけで自爆のリスクが跳ね上がるが何とか制御に成功する。
あとはエターナル先生に撃つだけだ。
「レイくん、やっとこっちを見てくれたけど、ちょっと遅かったみたいね。」
「ん……?」
「まあいいわ、いらっしゃい! 【ナチュラルアーマー】!」
エターナル先生は先の2人の時より気合が入っている感じがするな。
「それじゃ、いきます!」
【圧縮魔導砲】をエターナル先生にむけて発射すると、激しい音と共に直径3mはありそうなエネルギー砲がエターナル先生を突き抜けて壁に当たる。
しかし、流石は学校施設の修練場なだけあって貫通しないで【圧縮魔導砲】を受け止めていた。
砂煙が舞いすぎてエターナル先生の状態はハッキリと分からないが、シルエットでは受け止める前の格好だから受け止めたのかな?
砂煙がやむと、そこには丸焦げのエターナル先生が仁王立ちしていた。
「やっぱり、あの圧縮された攻撃を受け止めるのは無理だったわね……。」
バタン!
「あ……。」
エターナル先生は光と共に消え、多分ダンジョンの復活ポイントに飛ばされたみたいだ。
「薄々分かっていたニャけど、レイはやり過ぎニャ。」
「回避出来ないエターナル先生にあの攻撃は酷いぜ……。」
「レイを甘くみていたエターナル先生の落ち度ではないですか?」
「流石、レイ。 私の、【炎弾】、とは、違う。」
「いや、エターナル先生なら耐えられそうな気がしたんだけどね……。」
☆
10分後、見た目は無傷なエターナル先生が修練場に戻ってきていた。
「みんな、待たせてごめんなさいね。 私が1年生に殺られるのは想定外だったわ。」
「エターナル先生、なんかすいません……。」
「レイくんは気にしなくて良いのよ。 私の慢心だからね。 時間もないから、授業を再開しましょう。」
「「はい!」」
「私の場合、【属性付与】を肌で感じる事で相手の【属性付与】を理解して、それを再現出来るのよ。 だから皆には次回の授業から水着になってもらうわ。」
「「ええ!?」」
まさか、エターナル先生と同じ様に服を脱がされるとは……。
「エターナル先生! 服を着ない事でそんなに変わるんですか?」
「私が見ている限りでは肌を出している方が【属性付与】を覚えやすいわね。 私の【属性付与】授業を受ければ、習得率99%だから私を信じて。」
「その1%の人は何で【属性付与】が出来なかったんですか?」
「出来なかった生徒は1人だけなんだけど、その子は何故か【魔力操作】も出来なかったのよね。 だからといって弱い訳でも無かったから謎だったわ。」
「そんな生徒もいたんですね。」
【魔力操作】はこの世界において、全ての基礎みたいなものだと思っていたが、【魔力操作】が出来なくても強い人はいたんだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます