第192話 サリウス ②

 カーラ先生とサリウスの戦いが始まろうとしていた。



「セシリア、僕達も直接戦わないにしても、協力した方が良いんじゃないかな?」


「そうですね。 カーラ先生だけで倒せるのが1番良いですが、準備はした方が良いかもしれないですね。 もしくは逃げる準備を……。」


「あっ、動きがあるな。」




『【錬成】!【木耀の鎧】』


 サリウスは【錬金術】を使ったのか、全身を覆う木の鎧を作り出した。


 偶然ではあるが、自分の作ろうとしている超巨大な鎧と木を使うという意味ではかぶるな……。


 サリウスの作り出した【木耀の鎧】は木の枝が全身に巻き付いた感じになっており、鎧とは言えない見た目はダサいが、性能はどうなのだろうか?



『【錬成】!【木耀の串】』


 サリウスは続けてカーラ先生に向けて木の枝を複数伸ばしていく。



 カーラ先生は多少のかすり傷を負いながらも巨大な斧を器用に使いながら切り払っていく。


 木の枝はかなりのスピードで、自分達が近くで攻撃されたら回避出来ないかもしれない。


 サリウスは木の枝を常時カーラ先生に向けながら、本人もカーラ先生へ突進していく。


 木の枝でカーラ先生の退路を塞ぎながらサリウスは殴りかかり、どんどん攻撃を捌くのが厳しくなっている感じで、カーラ先生の身体も傷だらけになっていった。




『ふはは、回避ばかりだと負けてしまいますよ!』


『安心しろ、これから反撃をしてやるよ。』


 しかし、カーラ先生の攻撃はサリウスの鎧を斬り裂くにはいたらず、鎧の表面を削っただけだった。


『ふはは、カーラ先生の攻撃もこんなものですか。 僕が強くなり過ぎたのかな?』


『……。』



 カーラ先生が削った鎧の表面は自然治癒していく様に直っていく。


 サリウスの【魔力】量がどれくらいあるかは分からないが、あまり【魔力】を消費していない様に感じるな……。


 形勢不利な感じになってるが……。



 背後からマギリさんの鞭によりサリウスは拘束される。


『僕とカーラ先生との戦いを邪魔しないで欲しいですね……』


『誰も2人で戦うとは言ってないでしょう。』


『私1人の時に襲えばタイマンをしてやったが、襲撃するタイミングが悪かったな。』


『なるほど……。 しかし、こんな鞭……』


 サリウスは強引にマギリさんの鞭を引きちぎろうとするが、なかなか上手くいかないみたいだった。


『この鞭を引きちぎるのは無理ですよ。 』


『なんだ。力が入らない……。』


『その鞭はかなりの強度がある上に、徐々に【魔力】を低下させる効果もあるんですよ。 あなたは殺さずに拘束します。』




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