第187話 王城へ
今日は【王国】の王城へ、向かう馬車に乗っていたのだが……。
「マギリさんは分かるけど、なんでカーラ先生までいるのですか?」
「あ? レイが緊張しないようにってのと、護衛だよ。 ありがたく思えよ。」
「なるほど? ありがとうございます。」
緊張しないようにってのは意味が分からないけど、護衛ってのは助かるな。
「レイくん、騙されてはいけないですよ。 護衛の件は間違えではないですが、カーラも国王に呼ばれているんですよ。」
「おい、マギリ。 バラすなよ。 本当は行きたくないんだけどな。 特に親とは会いたくないんだよな。」
「カーラ先生は国王と仲が悪いんですか?」
「いや、仲は悪くないんだが……。」
カーラ先生にしては歯切れが悪いな。
「カーラが嫌なのは国王ではなく、国王と謁見時必須とされているドレスを着るのが嫌なんですよ。」
「おい! 言うな!」
「えっ、ドレスくらい良いじゃないですか。 カーラ先生なら似合いそうですよ?」
カーラ先生はちょっと筋肉質ではあるが身長も高いし、スタイルは良いと思うからドレスは似合うんじゃないかな。
「い、いや……。 ドレスとか恥ずかしいだろ……。」
「あの……。 今着ているビキニアーマーは恥ずかしく無いんですか?」
カーラ先生のビキニアーマーは重要な部分は隠しているが、スタイルが良いから胸とか尻とか半分以上は出ている……。
自分のイメージだと、海パンで街中を歩くようなビキニアーマーの方が恥ずかしいのだが、カーラ先生は違うのだろうか。
「何を言っているんだ? 戦闘装備が恥ずかしい訳ないだろ。」
「えっ……。 そういうものですか?」
☆
【スカウトフォート】から【王都】へは馬車に乗り4時間位で到着した。
帰りも同じく4時間かかると思うと、【王都】で目的以外は何も出来ないかもしれないな。
時間があれば街を見て回りたかったんだけど、今度はコーデリアやシンシアと一緒に来るかな。
「久しぶりに帰ってきたな。」
「国王はもっと帰って来てほしいみたいですよ。」
「兄弟はいっぱいいるんだから、私が帰らなくても変わらないだろ。」
「カーラ、子供が多ければ会わなくて良いって理由にはならないですよ。」
「そういうものか? 私には分からないな。」
「さて、レイくんは私と一緒に来てもらって、その間にカーラは挨拶を済ませてきて下さい。」
「ああ、分かったよ。」
そういうとカーラ先生は嫌そうな顔をしながら、リアルメイド達と一緒に別の通路を進んでいった。
「それではレイくんはこっちに……。」
「あの、マギリさん。 今更ですけど、僕はこんな格好で良かったのですか?」
自分は最初、この世界の正装がどんなものか分からなかったので、マギリさんに聞いたら、自分が戦闘兼外出用に使っている【魔導服】で良いと言われたのだ。
【魔導服】は全体が黒をベースにした感じではあるが、金や青の刺繍が入ったりしている。
「大丈夫です。 格好良くて似合ってますよ。」
「ありがとうございます? そう言えば学校の制服でも良かったのかな。」
「それが無難だったかもしれないですね。 では上司の部屋に到着しましたので、レイくん1人で入って下さい。 私の上司は話が分かる人なので、内容は知りませんが、どう答えても悪い様にはならないと思いますから自由にすると良いです。」
自分はマギリさんの上司が待つ部屋に入るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます